
宮藤官九郎が手掛けた新作歌舞伎『大江戸りびんぐでっど』は、制作が発表されるとたちまち話題騒然となった。江戸時代に現れた“ぞんび”が、人間の代わりに派遣社員として働くという奇抜なアイデアに始まり、音楽・向井秀徳、衣裳・伊賀大介、道具幕デザイン・しりあがり寿など、異色の才能が歌舞伎座に集結。流行りの一発芸から下ネタ、ヒップホップにゾンビテイストを加えたダンスなどのエンタテインメント性のみならず、社会問題となっている派遣切りも題材にし、現代の歌舞伎が誕生した。
時は江戸時代、処は大江戸。くさや汁を浴びた死人が“ぞんび”として生き返った。人に噛みつき増え続ける“ぞんび”に江戸の町は大騒ぎ。
くさやの名産地新島出身の半助は、くさや汁を体に塗ることで彼らを従わせることに成功する。想いを寄せるお葉と共に、何と人間の代わりに“ぞんび”を働かせる人材派遣会社「はけんや半助」を起業する。“ぞんび”は文句も言わずに人間の嫌がる仕事を安く請け負い、商売は大繁盛となった。しかしやがて派遣に仕事を奪われた人間たちが現れ、切っても死なない派遣“ぞんび”VS失業者の争いが始まろうとしていた。
HDカメラで撮影した歌舞伎の舞台公演を、映画館でのデジタル上映で楽しんでいただく新しい観劇空間です。映像ならではのクローズアップや、複数台のカメラによるアングルにも工夫を凝らすことで、ダイナミックかつ臨場感のある作品に仕上げます。2005年の『野田版 鼠小僧』に始まり、映画界の巨匠山田洋次監督作『人情噺文七元結』『連獅子』や、中国での撮影を行った特別篇『牡丹亭』などを公開し、今では10作を超えるラインナップになっております。