演目紹介

METが制作する新作オペラや新演出に待望の再演、全世界が注目する10演目をご紹介します。

2009 - 2010

※全作品日本語字幕付き

  • 1 トスカ
  • 2 アイーダ
  • 3 トゥーランドット
  • 4 ホフマン物語
  • 5 ばらの騎士
  • 6 カルメン
  • 7 シモン・ボッカネグラ
  • 8 ハムレット
  • 9 アルミーダ

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1 プッチーニ 《トスカ》 Tocsa - Giacomo Puccini 新演出

MET初演出の鬼才L.ボンディが24年ぶりの新演出に挑戦。プッチーニの最も情熱的な悲劇的オペラを、K.マッティラの歌と迫真の演技で贈る。

指揮:ジョセフ・コラネリ 演出:リュック・ボンディ

出演:カリタ・マッティラ(トスカ)、マルセロ・アルバレス(カヴァラドッシ)、ジョージ・ギャグニッザ(スカルピア男爵)、ポール・プリシュカ(堂守)

上映時間:3時間8分

マリア・カラスの絶唱による〈歌に生き、愛に生き〉でも有名なプッチーニの傑作。
画家カヴァラドッシは政治犯の友人の逃亡を助けたため、警視総監のスカルピアに逮捕される。カヴァラドッシを愛する歌姫トスカは、スカルピアに懇願して恋人を救おうとする。トスカを狙っていたスカルピアは、通行証をダシにトスカをわが物にしようとするが、トスカはキスの替わりにナイフでスカルピアを刺し殺してしまう。カヴァラドッシの処刑は空砲の予定で、トスカと共に逃げるはずだったが・・・
1800年、ナポレオン軍が迫るローマを舞台に、美しく気位の高い歌姫の悲劇を描いたオペラで、数々の名演でも知られているが、このプロダクションは09~10シーズンのオープニングに選ばれた新演出版。新たな魅力で《トスカ》がMETに蘇る。【片桐卓也(音楽ジャーナリスト)】

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2 ヴェルディ 《アイーダ》 Aida - Giuseppe Verdi

時は古代エジプト、三人の男女の愛の葛藤をテーマにした一大ドラマ。スペクタクルで豪華な舞台に繰り広げられる、グランドオペラの代表的作品。

指揮:ダニエレ・ガッティ 演出:ソニヤ・フリゼル

出演:ヴィオレタ・ウルマーナ(アイーダ)、ドローラ・ザジック(アムネリス)、ヨハン・ボータ(ラダメス)、カルロ・グエルフィ(アモナスロ)

上映時間:3時間29分

凱旋行進の場面の豪華さに目を奪われる。しかし、テーマは愛と嫉妬と祖国愛。
古代エジプトの王宮では、エチオピアとの戦いに出かける将軍ラダメスと、奴隷として捕らえられているエチオピアの王女アイーダが密かに愛し合っていた。しかし、エジプトの王女アムネリスムもラダメスを愛し、二人の仲を疑っている。「ラダメスは死んだ」と嘘をつき、アイーダの本心を探り出すアムネリス。エジプト軍の勝利の行進の中に、アイーダは敗れたエチオピアの王であり、父親であるアモナスロの姿を発見する。アモナスロはアイーダに命じて、エジプト軍の秘密を聞き出す。秘密を漏らしてしまったラダメスは捕らえられるが、地下牢にアイーダが現われ、二人は来世での愛を誓って死んで行く。メトロポリタン歌劇場の広大な舞台を活かした舞台は必見。ヴェルディの名旋律により、愛のドラマが展開する。【片桐卓也(音楽ジャーナリスト)】

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3 プッチーニ 《トゥーランドット》 Turandot - Giacomo Puccini

オリンピック開会式やフィギュアスケートから一大ブームとなった“あの”名曲を筆頭に、美しいアリアがちりばめられたプッチーニ最後の渾身の一作。F.ゼフィレッリの息を呑むような演出で。

指揮:アンドリス・ネルソンス 演出:フランコ・ゼフィレッリ

出演:マリア・グレギーナ(トゥーランドット)、マリーナ・ポプラフスカヤ(リュー)、マルチェッロ・ジョルダーニ(カラフ)、サミュエル・レイミー(ティムール)

上映時間:3時間4分

プッチーニの最後のオペラ。有名な〈誰も寝てはならぬ〉はこのオペラの第3幕に登場する。
伝説時代の中国。絶世の美女だが、求婚者に謎をかけ、それが解けないと殺してしまう冷酷な姫がいた。彼女の名はトゥーランドット。その夜も謎を解けなかった王子の処刑が行われようとしていた。放浪の王子カラフは、群衆で混み合う広場で、別れ別れとなった王ティムールと召使いの娘リューの姿を見つける。再会を喜ぶ間もなく、登場したトゥーランドット姫の美しさに、カラフは姫の謎に挑む決意をしてしまう。宮廷の官吏ピン、パン、ポンや皇帝がカラフに翻意を促すが、決意はゆるがない。そしてカラフは姫の謎を解き、翌朝までに自分の名前を調べるようにと逆に謎を出す。責められたリューが自殺するなか、姫の冷たい心が溶ける瞬間がやって来る。
伝説の中に生まれる真実の愛の姿を描き出したオペラだ。【片桐卓也(音楽ジャーナリスト)】

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4 オッフェンバック 《ホフマン物語》 Les Contes d'Hoffmann - Jacques Offenbach 新演出

《天国と地獄》で知られるオッフェンバック最後のオペラを、トニー賞受賞演出家B.シャーの新演出で贈る。詩人ホフマンの3つの失恋をめぐるマジカル・ジャーニー。当代きっての大スター、A.ネトレプコが出演。

指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:バートレット・シャー

出演:ジョセフ・カレーハ(ホフマン)、キャスリーン・キム(オランピア)、アンナ・ネトレプコ(アントニア/ステラ)、エカテリーナ・グバノヴァ(ジュリエッタ)

上映時間:3時間33分

オペレッタで名声を博したオッフェンバックが、その最晩年に作曲した未完の傑作。原作はドイツ・ロマン派の文学者E.T.A.ホフマン。詩人のホフマンが酒場で飲んでいるうち、過去の3つの恋を回想するという物語。最初の恋は「オランピア」。発明家スパランザーニの家で、不思議な眼鏡をかけたホフマンは美しい娘オランピアに魅了される。しかし彼女は自動人形だったのだ。次の女性の名は「アントニア」。体が弱く、歌うことを禁じられているアントニアだが、謎の医師ミラクル博士の魔法にかけられて情熱的に歌い、その場に倒れて亡くなってしまう。最後の女性は「ジュリエッタ」。ヴェネツィアの高級娼婦ジュリエッタは、魔術師ダベルトットが持つダイヤ欲しさに、ホフマンの影を奪おうと彼を誘惑する。最も有名な曲は、ジュリエッタの幕で歌われる〈ホフマンの舟歌〉。そして人形オランピアが歌う〈生け垣に小鳥たちが〉の超絶技巧アリアにも魅了される。【石戸谷結子(音楽ジャーナリスト)】

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5 R.シュトラウス 《ばらの騎士》 Der Rosenkavalier - Giacomo Richard Strauss

“時の流れはなんて残酷なのだろう。”元帥夫人の切なさや青年貴族の若い情熱が交錯し、胸を打つ美しい二重唱や三重唱で奏でられる、20世紀を代表する珠玉の傑作。R.フレミング、S.グラハム、C.シェーファーの現在望みうる最高のトリオで贈る。

指揮:エド・デ・ワールト 演出:ナサニエル・メリル

出演:ルネ・フレミング(元帥夫人)、スーザン・グラハム(オクタヴィアン)、クリスティーネ・シェーファー(ゾフィー)、クリスティン・ジグムンドソン(オックス男爵)

上映時間:4時間17分

ドイツ・ロマン派の巨匠R.シュトラウスの最高傑作といわれるのが、この《ばらの騎士》だ。台本を書いたのは当時の文豪ホーフマンスタール。18世紀中頃、宮廷文化華やかなウ ィーンを舞台に、優雅な元帥夫人と17歳の美男の愛人、オクタヴィアンの不倫愛が繰り広げられる。しかしその奥には「時の移ろい」という深遠なテーマが隠されている。舞台はいきなりベッドシーンから始まる。元帥夫人とオクタヴィアンは昨夜の余韻にひたるが、夫人はいずれは彼が自分の元を離れていくのを予感する。オクタヴィアンは、元帥夫人の従兄オックス男爵と新興貴族の娘ゾフィーとの婚約を伝える、ばらの騎士としてゾフィーに会い、出逢ったとたんに恋に落ちる。元帥夫人はその事実を知り、毅然として身を引き、若い恋人たちを祝福する。1幕の夫人のモノローグや2幕でばらの騎士が登場する華やかな場面も見どころ。3幕の夫人、オクタヴィアン、ゾフィーによる三重唱も聴きもの。【石戸谷結子(音楽ジャーナリスト)】

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6 ビゼー 《カルメン》 Carmen - Georges Bizet 新演出

誰もが聞き覚えのある、心湧き立つアリアの宝庫。卓越した技巧と美貌で魅了する情熱的なディーバ、E.ガランチャが演じるカルメンをはじめ、R.アラーニャのホセ、B.フリットリのミカエラと完璧な布陣に注目。

指揮:ヤニック・ネゼ=セガン 演出:リッチャード・エア

出演:エリーナ・ガランチャ(カルメン)、バルバラ・フリットリ(ミカエラ)、ロベルト・アラーニャ(ドン・ホセ)、マリウーシュ・クフィエチェン(エスカミーリョ)

上映時間:3時間24分

女性に翻弄され転落していく男。世紀末に誕生した新しい「運命の女」=カルメンの魅力を描いた傑作オペラが新演出で登場する。
スペイン、セヴィリアのタバコ工場前の広場。村娘ミカエラが訪ねてくるが、お目当ての兵士ドン・ホセとはすれ違い。タバコ工場からカルメンたちが出てくる。カルメンに群がる男たち。しかし、カルメンはドン・ホセに意味あり気に花を投げる。タバコ工場では騒ぎが起きて、カルメンが逮捕される。カルメンはホセを誘惑し、逃亡する。営倉入りとなったホセは酒場にカルメンを訪ねるが、運悪く上官に見つかり、カルメンたちの密輸の仲間となる。しかし、カルメンの心は次第に離れて行く。闘牛士エスカミーリョと闘牛場に来ていたカルメンは、ホセと再会し、指輪を投げつける。ホセは逆上しカルメンを刺し殺してしまう。〈ハバネラ〉 〈セギディーリャ〉 〈闘牛士の歌〉など、有名アリアの聴き所も多い。【片桐卓也(音楽ジャーナリスト)】

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7 ヴェルディ 《シモン・ボッカネグラ》 Simon Boccanegra - Giuseppe Verdi

伝説的テノール、P.ドミンゴがヴェルディ・オペラきってのバリトン役のタイトル・ロールに初挑戦。他の名歌手たちとともに、重層的なドラマをスリリングに歌い上げる。

指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:ジャンカルロ・デル・モナコ

出演:プラシド・ドミンゴ(シモン・ボッカネグラ)、エイドリアン・ピエチョンカ(アメーリア)、マルチェッロ・ジョルダーニ(ガブリエーレ)、ジェイムズ・モリス(フィエスコ)

上映時間:3時間28分

ジェノヴァの市民パオロが、同じ市民のシモンを総督候補に担ぐ。そのシモンの恋人マリアの父で貴族のフィエスコが娘の死を嘆いていると(アリア〈悲しい胸の思いよ〉)、彼女の死を知らぬシモンが「マリアが産んだ幼子が行方不明」と告げる。やがて、恋人の死を知ったシモンが総督に選ばれる。25年後、貴族の娘アメーリアはアリア〈この真っ暗な時に〉を歌い、恋人ガブリエーレの朝の訪れを待つ。彼女の育ての親アンドレア(実はフィエスコ)は彼に「この娘は拾われた子」と打ち明ける。アメーリアと対面した総督は、名二重唱〈孤児の私を〉で彼女が実の娘と知り、手を取り合う。アメーリアの誘拐騒ぎが起き、総督はパオロの仕業と見抜く。窮したパオロは総督に毒を盛る。ガブリエーレは総督がアメーリアを愛すると誤解(アリア〈怒りの炎が〉)、しかしシモンは彼に「彼女は我が娘」と告げ、フィエスコと愛娘には、二人は祖父と孫娘の間柄だと教えて絶命する。【岸純信(オペラ研究家)】

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8 アンブロワーズ・トマ 《ハムレット》 Hamlet - Ambroise Thomas 新演出

シェークスピア最大の戯曲をトマによりオペラ化したあまりにも有名な悲劇。N.デセイとS.キーンリーサイドの迫力ある演技と歌声が“狂乱の場”で観客を魅了する!

指揮:ルイ・ラングレ 演出:パトリース・コリエ&モーシュ・ライザー

出演:サイモン・キーンリーサイド(アムレット[ハムレット])、ナタリー・デセイ(オフェリ[オフィーリア])、ジェニファー・ラーモア(ジェルトリュード[ガートルード])、ジェイムズ・モリス(クロード[クローディアス])

上映時間:3時間20分

デンマークの新王と王妃の婚儀の最中、王子アムレット(ハムレット)は「父の没後すぐに母が再婚とは!」と嘆く。アムレットの親友ラエルトは、旅立ちを前に、妹のオフェリ(オフィーリア)を彼に託して名アリア〈彼女は私の誇り〉を歌う。父王の亡霊が現れ「新王に毒殺された。復讐せよ」と王子に迫る。アムレットの突然の心変わりを、オフェリは悲痛なアリア〈「さようなら」と彼は言った〉で嘆く。宮廷人の前で王子は〈乾杯の歌〉を披露し余興の無言劇を開催、その筋立て - 毒殺された王の話 - に新王は取り乱す。乱心を装う王子はオフェリにますます冷たく当たり、絶望した彼女はコロラトゥーラの名曲〈狂乱の場〉で変わらぬ想いを歌い上げ、水死する。場面は変わり、恋人を思う王子は名アリア〈蒼ざめた花のように〉を静かに歌う。しかし、彼の目の前にオフェリの葬列が行過ぎる。そして、亡霊に命じられるままアムレットは新王を刺殺。王子の即位を祝う喜びの声の中、彼は独り立ち尽くす。【岸純信(オペラ研究家)】

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9 ロッシーニ 《アルミーダ》 Armida - Gioachino Rossini 新演出

気鋭の女性演出家M.ジマーマンが手掛ける魅惑的でファンタジックな話題作。現代随一のスター・ソプラノ、R.フレミングが魔女を熱演し、ロッシーニを得意とするフリッツァの指揮が冴えわたる。

指揮:リッカルド・フリッツァ 演出:メアリー・ジマーマン

出演:ルネ・フレミング(アルミーダ)、ローレンス・ブラウンリー(リナルド)、ブルース ・フォード(ゴッフレード)、ホセ・マヌエル・サパータ(ジェルナンド)

上映時間:3時間38分

中世のエルサレム近く。十字軍の前にダマスカスの女王で魔女のアルミーダが現れ、「我が王冠を親族が狙っています。戦士をお与え下さい」と懇願する。しかしそれは偽りの言であり、彼女の真の狙いは愛するリナルドを手元に置くことにある。十字軍の次の指揮官にリナルドが指名されると騎士ジェルナンドが憤慨、アリア〈耐えはしない〉を歌う。彼は愛し合うリナルドとアルミーダを嘲笑、リナルドは決闘でジェルナンドを斃(たお)す。騎士たちはリナルドを責め、アルミーダは「上手くいった!」とほくそ笑む。場面が変わり魔法の園になる。逃れてきたアルミーダとリナルドは甘美な二重唱を歌い、続いてアルミーダが超絶技巧を駆使して大アリア〈愛の甘き帝国に〉を歌い上げる。しかし、愛に溺れるリナルドの前に騎士ウバルドとカルロが現れ、彼を説得して三人で逃亡する(テノールの三重唱〈一つになって戦おう〉)。アルミーダは魔力を使ってリナルドの後を追う。【岸純信(オペラ研究家)】


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