2016.06.28
歌舞伎夜話特別篇
片岡亀蔵『阿弖流為〈アテルイ〉』を語る レポート!
シネマ歌舞伎公式Twitterフォロワー5000人突破を記念して、
シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』出演の片岡亀蔵が、ギャラリーレクチャー歌舞伎夜話特別篇に登場!
お客様から寄せられた質問に答えつつ作品の魅力をたっぷりと語りました!
そんな質問へのお答えを一部ご紹介いたします!
亀蔵が演じる蛮甲の奥さん(!)として人気のキャラクター熊子のぬいぐるみを抱えて登場すると
会場は早くも大盛り上がり。
和気あいあいとした雰囲気の中、
早速『阿弖流為〈アテルイ〉』についての思い出や、シネマ歌舞伎を観ての感想のお話が始まりました。
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◎シネマ歌舞伎になってここがすごい、見て欲しいと思うポイントは?
「僕らが(舞台で)感じるよりもとってもいい感じですよね、音。まあ映像はいくらでも、足したりなんだり出来るんですけども、
音はこんなにマイクで(撮ると)変わるんだなという感じはありましたね。」
(立ち回りの迫力とか、)生で何十回も見てる人とかいますけど、やっぱりそれでもココ(至近距離)まではこれないからね。それは魅力というか。映画の宣伝になってますけど(笑)」
◎熊子の手を舐めて「甘え」というセリフがありますが、何の食べ物の甘さをイメージしてますか?
「僕はその瞬間だけちょっと”プーさん”をイメージしてます。
最初稽古は右でやって、左でやって…なんてやってたんだけど、結局鮭を取った手を舐めたくない…っていうこだわりで、(鮭を取るのは)右にして左をなめるっていうことになった。
鮭を取った手は生臭いからそれはちょっとなめたくない、悪いけど手を変えてくれって(笑) こだわりがあるんです。
(特に甘い匂いを)つけたりはしていないです。そしたら右も生臭くしないと!(笑)」
◎蛮甲以外にやってみたい役は?
「いや、やってみたいけど!立烏帽子はないでしょう!?(僕がやったら)ちょっとおかしい感じでしょ(笑)
でもこれは本当、それぞれが役にあってるんだよねぇ。できて佐渡馬かなぁ。」
◎私服がいつも素敵ですが、こだわりのポイントは?
「これはねぇ。嫁さんがうるさいんですよ…(笑)ファッションコーディネーター2級の資格を持っているから、その旦那さんがみっともないカッコしているのはちょっとって…(笑)
いや、でもね、基本的にファッションとかそういうのはね…夢というか…舞台は人前にね、いい意味でも悪い意味でもさらされるわけですから。観終わったあとで、僕が汚いカッコで座ってたら、『えー蛮甲それ?!』ってなっちゃうから。
世の中が暗い時も、なるべく明るい色を着てます。」
◎海外の映画で歌舞伎にしてみたいなと思う作品は?
「知らない人もいるかな。『奇人たちの晩餐会』っていうフランス映画がね、これはなるなぁって思ってるんです。
だから、ジャック・レモン(アメリカの喜劇俳優)とかのライブコメディっていうか、ああいうのって出来るんじゃないかな。
あとは『親切なクムジャさん』っていう韓国映画。『ミスト』『セッション』もやりたいなぁ。ちゃんと歌舞伎にってなるとそういうのしかないんですよ。そうじゃないと血みどろのすっごいのやってほしいし、言い出すときりがない(笑)」
◎この世から無くなったら困るものはなんですか?(歌舞伎、お酒、奥様以外)
「自由な時間ですね、僕は。なんか時間にずーっと追われてるでしょ。いろいろやりたいことあるのを何とかしたいなぁって。そういうのが全然ないと困る。」
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たっぷりのトークのあとは、サイン入り賞品をかけたじゃんけん大会や、写真撮影会も行われ、大盛り上がりのうちに幕となりました。
音や迫力の立廻りはもちろん、蛮甲と熊子のシーンも何度見ても新たな発見がありそうですね!
今回の夜話でのお話も思い出しつつ、ぜひ映画館で『阿弖流為〈アテルイ〉』の世界をご堪能ください♪