1860年のウィーン貴族社会の恋物語を、洗練極めた台本と音楽と演出で追体験し、最後は幸福感に包まれる
破産寸前の両親の下、姉妹の恋愛模様はとんだ経緯をたどる。だが、ホーフマンスタールの脚本をR・シュトラウスが洗練された華麗な音楽で彩った悲喜劇は、観る人すべてを幸福な気持ちに導く。2025年1月に没したO・シェンクの気品ある古典的演出で、1860年ごろのウィーン貴族社会に誘われるのも粋だ。歌手には高度な技術が要るが、題名役デビューのR・ウィリス=ソレンセン、妹役L・アルダー、伯爵役T・コニエチュニら万全の布陣。
- 指揮:
- ニコラス・カーター
- 演出:
- オットー・シェンク
- 出演:
- レイチェル・ウィリス=ソレンセン、ルイーズ・アルダー、パヴォル・ブレスリック、トマシュ・コニエチュニ、ブリンドリー・シェラット
- 上映時間:
- 3時間44分(休憩2回)
- MET上演日:
- 2025/11/22
- 言語:
- ドイツ語
- ※ スケジュールは余儀なく変更されることがございます。
《アラベッラ》のあらすじ
19世紀半ばのウィーン。退役軍人ヴァルトナー伯爵一家は破産寸前で、婚姻費用もない。そこで、下の娘ズデンカは 男装させ、 長女アラベッラは玉の輿に載せたいが、彼女は言い寄る男に無関心だ。ズデンカの友人マッテオもその1人だった。その後、アラベッラはも大地主マンドリカの求婚を受け入れるが、失恋したマッテオは絶望する。彼に恋したズデンカは心配し、姉の部屋の鍵と偽って自分の部屋の鍵を渡すが、それを立ち聞きしたマンドリカは裏切りと思って逆上し…。 第1幕
1860年、ウィーン。ヴァルトナー伯爵夫妻の二人の娘のうち妹のズデンカは、訳あって息子ズデンコとして育てられている。姉アラベッラは求婚者が後を絶たないが、望む相手は現れない。求婚者のうちの一人、マッテオに恋するズデンカは、彼に同情し姉の筆跡を真似て恋文を送っていた。ヴァルトナー伯爵のもとに、裕福な旧友の甥で相続人のマンドリカが現れる。彼は、伯爵が亡くなった叔父に送ったアラベッラの肖像画に心を奪われてやってきたのだった。
第2幕
ヴァルトナー伯爵はアラベッラをマンドリカに紹介し、二人は一目で恋に落ちる。アラベッラは彼からの愛の告白を受け入れるが、今夜だけは自由に過ごさせてほしいと頼む。アラベッラが求婚者たちに別れを告げている間、マンドリカは一人で離れて待つ。他方、ズデンカはマッテオに鍵を渡し、それはアラベッラの寝室の隣のドアを開ける鍵であり、今夜遅くにアラベッラがそこで彼に会うと告げる。この会話を立ち聞きしたマンドリカは激怒する。
第3幕
アラベッラだと思い、暗い部屋で誰かと過ごしてきたマッテオは、彼女に冷たい態度をとられ困惑する。そこにヴァルトナー夫妻と一緒にマンドリカが現れる。マッテオが鍵を渡された人物だと気づいたマンドリカは、アラベッラが裏切ったと確信する。そこへズデンカが現れ、マッテオと一夜を共にしたと告白。マッテオはズデンカに恋していることを悟り、結婚を誓う。アラベッラは自分を信じなかったマンドリカを許し、二人は愛を確認しあう。
作品解説・あらすじ概要執筆:香原斗志(音楽評論家)
キャスト&スタッフ
プロフィール執筆:香原斗志(オペラ評論家)


































