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新派について

新派名作劇場『女の一生』

記者懇親会の模様

6月6日~26日、三越劇場では『女の一生』が上演されます。今は亡き日本の大女優・杉村春子が生涯を賭けて演じ続けた不朽の名作に、明治から昭和を演じ続けて121年の歴史を誇る「新派」が満を持して挑みます。また、6月28日~7月15日には巡業公演が行われ、全国10都市で14公演が予定されています。上演に先立ち、波乃久里子、風間杜夫、司葉子、安井昌二ら出演者が記者懇親会で意気込みを語りました。

波乃 久里子


波乃 久里子

私を子供のように可愛がって多くの事を教えて下さった杉村春子先生が生涯に亘って演じられた『女の一生』を、風間杜夫さん、司葉子さん、中山仁さん、そして安井昌二さんを初めとする新派の方々と上演できます事、この上なく嬉しい事と思っております。

15年程前、杉村先生を訪ねた時は上演が叶いませんでしたが、今回やっとその思いが叶います。「あなたなら大丈夫、でも長くやるんですよ、そうしたらきっと判ることがある」と先生がおっしゃって下さったことを今でも覚えています。

布引けいは、杉村先生が大切になさった本当に素晴らしい役です。今は、観覧車に乗った時のように、地に足がつかず宙に浮いたような、怖くて心細い気持ちではございますが、一生懸命勤めたいと思っています。

風間 杜夫


風間 杜夫

新派公演には4回目の出演になります。明治・大正という時代を舞台にした新派の名作を波乃久里子さんとご一緒させていただき、その経験は僕にとって大変貴重な演劇体験となっています。

今回は、不朽の名作『女の一生』の上演です。日本的な情緒溢れる新派の作品と比べますと、人間の真摯な姿勢が言葉として紡ぎ出されるような文学性豊かな作品だと思います。堤栄二は、僕の大好きだった北村和夫先生が演じられてきた役でもあり、このような巡りあわせの中で勤められる事を大変嬉しく思っております。

今の時代だからこそ、この古典の普遍的な魅力を大勢の皆さんに観て感じていただきたいと思っています。

司 葉子


司 葉子

松竹さんとは、以前孝夫(今の仁左衛門)さんや菊五郎さんと共演させていただいたご縁があったのですが、この度、新派に初めて出させていただく事になり、大変緊張しております。今回は皆様に遅れをとらないよう頑張りたいと思っています。

杉村春子先生は『女の一生』を何度も公演なさって、私も拝見いたしました。文学座の匂いを、また舞台で嗅ぐことが出来るのではないかと今から楽しみにしています。そして、今回は巡業で全国をまわりますので、公演が終わった後、皆様とご一緒して美味しいものをいただくのも楽しみにしています(笑)。

安井 昌二


安井 昌二

堤章介を勤めさせていただきます。台本を拝見したところ、なんとセリフの多いことか・・・(笑)。大変難しい役ではございますが、初日までまだ日がございますので、演出家の意図に従い、なんとか役をつくり上げていきたいと思っています。私も全国巡業で、その土地土地の美味しいお酒を頂くのを楽しみに致しております。

───作品の魅力は?
波乃久里子:
一言でいうと、布引けいの強さではないでしょうか。私たちではついていけないほどの強さ・・・家を守るということを母から受け継ぎ、守り続ける。昔でなければ考えられない事です。
最後にけいが「踊りましょうか」と言うのですが、それまで挫折を味わい、それを乗り越えてきたけいの思いが希望に繋がっていく、杉村先生からのメッセージが込められた一言だと思います。その一言で、どれ程の希望が繋げられるか、大切に言ってみたいと思っています。
また、この作品はとてもメッセージの強い作品です。その中に、新派の作品に流れる春の小川のような、淡々とした叙情的リアリズムを出せたらいいなと思っています。

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