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俳優名鑑

現代新派を担う俳優〈幹部俳優〉

その1
青柳 喜伊子(あおやぎ きいこ)

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昭和35年新派入団。

祖父と父が歌舞伎役者、母が新派女優という根っからの役者の家に生れた為、初舞台は歌舞伎座であった。新派では瀬戸英一に師事し、後に初代水谷八重子の門下となった。「歌行燈」のうどん屋の女房、「佃の渡し」のあさり売りなど持ち役も多い。生活感あふれる役が多く、太鼓や小鼓、日舞もこなす、新派になくてはならない女優である。

伊藤 みどり(いとう みどり)

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昭和43年新派に入団。阿部洋子門下として芝居の道に入る。昭和50年幹部昇進。

北條秀司の「旅役者お梅」のお兼が出世役となる。その後も多くの芝居に出演し最近では「京舞」のおきくなど大役に挑み、ベテランならではの味わいで観客をひきつけた。新派独自の花柳界ものから市井の女房役まで幅広い芸域を生かし、舞台で光る演技を見せる。

高橋 よしこ(たかはし よしこ)

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俳優座養成所を経て昭和34年新派入団、初代水谷八重子門下。

昭和40年に記録的なスピードで幹部昇進した。「京舞」の元滋夫人や「明治の雪」の田辺竜子のような知的な役から「太夫さん」の深雪太夫等艶のある華やかな芸者や遊女まで役柄は幅広い。芸者の中に一人加わるだけで舞台に雰囲気が漂う役者である。特技は清元、三味線、地唄舞などで、近年地唄舞で神崎静ゆめとして名取となった。

小泉 まち子(こいずみ まちこ)

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昭和36年劇団新派入団。市川翠扇に師事。47年幹部昇進。

市井に生きる長屋の女房、茶屋のおかみさんなどの役柄にふさわしい演技で存在感を出せる役者である。「明治一代女」お豊、「風流深川唄」お民、「歌行燈」うどん屋の女房等を好演している。どんな役でもさりげない仕草や台詞に時代や風情をにじませることのできる芸達者で外部公演でも活躍している。

柳田 豊(やなぎだ ゆたか)

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昭和28年劇団新派に入団。初代水谷八重子に師事。昭和34年幹部昇進。

芸歴が半世紀を超える新派の重鎮。堅実な演技で舞台をひきしめる役者である。「滝の白糸」の裁判長、「京舞」の中島勝蔵、「鶴八鶴次郎」の支配人竹野など役に説得力があり、味わいがある。「ふりだした雪」での傳蔵役のしみじみとした演技も印象深い。最近では大矢、菅原が代々演じてきた「婦系図」の酒井俊蔵に初役で挑み、評価を得た。

立松 昭二(たてまつ しょうじ)

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昭和35年に新派入団。初代水谷八重子に師事。

長身の柄とその風姿を生かして二枚目の大役を多く経験してきた。「にごりえ」ではおりきの恋人朝之助、「婦系図」では河野英吉など現在でも二枚目役が多い。また二枚目のみならず最近は老け役にも芸域を広げ、「遊女夕霧」での円玉役はその懐の深さと心の機微を表現した演技で好評であった。

田口 守(たぐち まもる)

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昭和52年新派に入団。初代水谷八重子最後の弟子である。平成3年幹部昇進。

飄逸な雰囲気が持ち味だが、敵役を演じる才能もある。「婦系図」掏摸の万吉、「恋女房」箙の源太などが当り役。最近では「婦系図」のめの忽役を好演し、年齢とともに役柄の幅を順調に広げている。「午後の遺言状」や「牡丹燈籠」など外部出演も多い。また若手の指導にも熱心な兄貴分のような存在である。

森本 健介(もりもと けんすけ)

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昭和42年に新派入団、伊志井寛に師事。52年に幹部昇進。

「婦系図」では掏摸の万吉、「太夫さん」ではお倉などが当たり役。数多くの新派の名作で独自の持ち味を活かした演技を見せている。どんな舞台でも出てくるだけで存在感を感じさせるのはその見事な演技力ゆえ。自然体でその時代の雰囲気を醸し出せる役者である。外部出演も多く、さまざまな舞台で活躍している。

佐堂 克実(さどう かつみ)

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昭和34年新派入団。伊志井寛に師事。48年幹部昇進。

独特の声質と飄々とした雰囲気があり、「滝の白糸」春平、「深川年増」の町医者、「明治一代女」のおでん屋など多くの新派の名作で、明治大正の時代を感じさせる貴重な存在として活躍している。また外部出演も多く、浅草パラダイスシリーズや藤山直美公演などでもその芸風を活かして活躍している。

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