シネマ歌舞伎20周年企画【前田航基のシネマ歌舞伎試写室vol.6】『源氏物語 六条御息所の巻』
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シネマ歌舞伎20周年アンバサダー前田航基さんが、俳優としてシネマ歌舞伎初心者として、独自の視点でシネマ歌舞伎の魅力をアピールする連載企画【前田航基のシネマ歌舞伎試写室】。
今回は、9月26日(金)公開の新作『源氏物語 六条御息所の巻』を公開より一足先に視聴していただきました!

(以下、前田航基さんより試写後のコメント)
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みなさんこんにちは。
夏が終わりの兆しを見せ始め、蝉の鳴き声もやんで参りました今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
さて、今月の前田航基のシネマ歌舞伎試写室です!
今月は『源氏物語 六条御息所の巻』で御座います。
言わずも知れた1000年前よりの名作『源氏物語』ですが、あらすじを軽くご説明致します。
葵の上という正妻がいながら、たくさんの愛人がいた光源氏。その中には前東宮の妃でもあった六条御息所も居て、かつては他の愛人とは一線を画すほど愛情を受けていたが、最近は会いに来ることも無くなり、光源氏への愛が葵の上への嫉妬と憎しみに変わり、知らず知らずのうちに生き霊となって葵の上に取り憑いてしまう。
そんな最中、三ヶ月ぶりに光源氏が会いに来るが……。
今回の見所は何と言っても六条御息所の心模様。
坂東玉三郎さんが演じられ、その表現は何とも儚い。
愛されたいのに、ただ愛されたいだけなのに全てが裏目に出てしまう物悲しさが胸に突き刺さります。
特に市川染五郎さん演じる光源氏と三ヶ月ぶりに会った時の連れ舞は、幸せを噛み締めつつも、その幸せに終わりがある事を悟ってしまう。
そしてそれは舞だけでなく、2人の関係にすら思えてしまう。
そんな表情は、観ているこちらがソワソワしてしまいます。
有名な『源氏物語』ですが、僕は名前は知っていても、作品として観るのは初めてで、とてつもなく昔のお話なのに、こんなにも心揺さぶられるのかと、芸術の賞味期限は永遠であるとすら感じてしまいました。
ドラマチックな物語を、歌舞伎座で上演された時の甘美さをそのままに、物語に寄り添った多彩なカット割りで、シネマ歌舞伎でしか味わえない贅沢な仕上がりでした!
シネマ歌舞伎『源氏物語 六条御息所の巻』は9月26日(金)〜10月16日(木)まで全国の映画館で上映されます!(東劇は延長あり)
是非劇場でご覧下さい!
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皆様のご来場を心よりお待ちしております。