METバックステージツアー付き観劇チケット当選者 現地レポート

2019年11月15日 金曜日
1.現地メトロポリタン歌劇場【MET】の印象
赤い絨毯に、黄金の天井、優雅な曲線を描く階段に、煌めくスワロフスキーのシャンデリア。
ただその場にいるだけで、とても気分が高揚してきます。
木の材質を使用した会場は音響が素晴らしく、車椅子用のスペースも各所に確保されていました。残念ながら日本語はないものの、各席の見やすい位置に字幕が映し出されるようになっていて、会場の設備も素晴らしいと思いました。
開演前や幕間は、ちょっとドレスアップした人々が軽くカクテルを楽しんでいたり、その様子を眺めているだけでもテンションが上がりました。
私は、地下に展示している歴史的なスターの写真を眺めたり、あるいは、切符拝見のところで引換券を貰って外に出た後、歌劇場のショップに行ったり、マチネでは、秋晴れの陽光を浴びてリフレッシュ。
今期から、マチネ公演が土曜日と日曜日の週二回となったので、より足を運びやすくなりました。
しかも、METでは毎日かつ昼夜演目が代わる「レパートリー方式」を採用しているので、短期間の旅行であっても、素晴らしいオペラの数々を堪能することが可能です。
私は、バックステージツアーの後の夜公演で、新演出の「ポーギーとベス」。その2日後、当選したライブビューイング撮影公演の「トゥーランドット」、同日の夜公演でアンナ・ネトレプコ出演の「マクベス」の3公演を鑑賞。それぞれ素晴らしいオペラの公演を満喫することができました。
 
2.バックステージツアー
バックステージツアーは、日本語の堪能なMETのマーケティング担当の女性が、案内して下さいました。
ステージの内部は、巨大な格納庫のよう。毎日演目が変わるだけでなく、昼夜違う演目が上演されるので、準備が大変なのだそうです。
歌劇場を含む建物の内部では、大道具、小道具、それから、代々受け継がれる衣装があるものの、それぞれの役者の体型にあわせた衣装、そして、膨大な量のかつらがスタッフによって制作されていました。このような舞台を支える人々の日々の努力と熱意があってこそ、華やかなステージが成り立っていることを認識されられ、強く心を動かされました。
衣装ですが、近年ライブビューイングによって細部まで映し出されるので、衣装には繊細な意匠を凝らしたものが多いそうです。たくさんの衣装がつるされてた廊下を通りましたが、その中には、代々それを身につけてきた出演者のタグが縫い付けられたものもあり、その歴史の重みを感じるとともに、これを実際に目にすることができて感動しきりでした。
さらに、リハーサル真っ最中のリハーサル室を扉の外から眺めたり、出演者の控え室も見学することもできて、なんとも貴重で素晴らしい体験でした。
 
3.《トゥーランドット》の感想
座席はオーケストラシートの右サイドの26列目。見上げた上には天井が被さっていて、肉眼では出演者の姿もよく見えず、オペラグラスを持ってくればよかったと後悔しました。
今回チケットを受け取り、席を確認することができたのは、MET側の事情で公演当日なってしまったために、事前準備が間に合いませんでした。後日、大変丁寧なお詫びのメールを頂きましたので、今後このような事態にはならないことでしょう。
それほどに良席を入手するのが大変困難になっているライブビューイング撮影公演。
昨シーズンから音楽監督に就任した指揮者、ヤニック・ネゼ=セガンの指揮でオーケストラは、ダイナミックかつ繊細な響き。生の演奏を聴くことができて、とても幸せなひとときでした。
今回はキャスト変更で、カラフ役がユシフ・エイヴァゾフに変更になりました。代役になったばかりの頃のMET公式YouTube動画の「誰も寝てはならぬ」を聴いて、少し不安がありましたが、想像していた以上に素晴らしい歌声でした。そして、トゥーランドット役のクリスティーン・ガーキーとの息もぴったり。ライブビューイング撮影公演なので、もしかしたらかなり頑張ったのかもしれませんが、本当に感動しきりでした。
リュウ役のエレオノーラ・ブラットの見事な歌声と真に迫った演技も素晴らしかったです。
また、第2幕後半、フランコ・ゼフィレッリ演出の絢爛豪華な宮殿の舞台装置が現れたときには、あまりの素晴らしさに、心の中で歓声を上げてしまいました。
ところで、今回の公演は、現地在住のアメリカ人女性の友人とご一緒しました。残念ながら、今回席自体はあまり良いとはいえなかったものの、METに何十年もの間何度も足を運んでいるオペラファンの彼女とご一緒できた貴重な機会となり、本当に感謝しています。
 
4.本公演をご覧になって改めて感じる、スクリーンで観る「METライブビューイング」ならではの魅力
事情があって自由になる時間が限られていても、時間を作って気軽に本場のオペラを楽しめるところです。
現地では日本語字幕がないので、ある程度予習していったほうがいいと思いますが、それが必要ないのも初心者にとっては有り難いところです。
しかも、本公演にはないインタビューもあって、興味深く、いつも楽しく拝見しています。
本公演を観るだけではわからない、キャストの細やかな表情の一つ一つ、その細部まで美しく映し出されて、見所をはずすこともありません。
また、スクリーンで観ると、その時間はかなり集中して観ていられるので、夢のような時間になおさらひたっていられるような気がします。
本場の舞台、スクリーンとも、それぞれ違った魅力がありますので、これからも両方楽しむ機会があればと願ってやみません。
 
 

【10作制覇キャンペーン現地METライブビューイング撮影公演鑑賞のお座席について】

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