【東京】中島かずき氏×九龍ジョー氏登壇『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』ティーチイン付き上映会レポート
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2025年12月18日(木)東劇にて、《月イチ歌舞伎》12月上映の『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』のティーチイン付上映会が開催されました。本作の脚本を手掛けた中島かずき氏(劇団☆新感線)が登壇し、ライターの九龍ジョー氏を聞き手に迎え、自身の執筆スタイルや『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』制作秘話、同じく中島かずき氏が脚本を手がけ来年1月に公開が迫る新作シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼』についての話題もあがり、さらには、SNSや会場からの質疑応答もあり、ファン必見のお話が次々と飛び出しました。
中島かずき氏が「注文建築」と語る執筆スタイルとは?
膨大な作品数を世に送り出している中島氏ですが、「最近は午前11時から夕方5時までをメインに執筆している」「基本的には1本ずつ、時期で区切って集中して書いています。」と規則正しい執筆スタイルを明かしました。
また、自身の脚本づくりを「注文建築」に例える場面も。「お施主さん(プロデューサー)からお題をいただき、例えば幸四郎を柱にしてと言われれば『ようがす!』と、決まっている役者さんに対して、その人がどう動けば面白いかを考えて見せ場とストーリーを同時に考えていく」と語りました。

『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』について
2002年に劇団☆新感線で上演された大人気作を歌舞伎化した『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』も歌舞伎役者に合わせて物語を再構築したといいます。
劇団☆新感線版では年上の設定だった田村麻呂を、勘九郎に合わせて「若く、未熟さの残る人間」へと変更。さらに、劇団☆新感線版では別々のキャスティングがされていた立烏帽子と鈴鹿も、七之助が一人二役を演じることに。中島氏は、「男が女を演じるという抽象性から始まり、それが極まると人ならざるものへと変貌していく。その魅力は凄まじい」と語りました。


さらに、観客からの「ネーミングのこだわり」について聞かれると、「歴史上の人物を文字ったり、作品ごとの命名ルールを決めるのに一番苦労する。自分の中で登場人物表ができると、作品の6割は完成したようなものと言っていいほど、キャラクター名を重視している。」と、まさにここでしか聞けない制作の裏側をのぞくことが出来ました。
歌舞伎NEXT第2弾 2026年1月公開『朧の森に棲む鬼』
会場から 「注目している歌舞伎俳優は?」と問われると、「機会があればいろいろな方とご一緒したい」と回答。質問者側の注目している俳優が市川染五郎とわかると、「今回『朧の森に棲む鬼』に出ている染五郎くんのシュテンはとてもいいですよ!」と2026年1月に公開される新作シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼』が公開されることをについても言及し、「ぜひ見てください」と熱くアピールしました。

結びには、伝統芸能に造詣の深い九龍氏から「シネマ歌舞伎は没入感がすごいので、ぜひ音響も含めて楽しんでください。」と、中島氏からは「こういう形でシネマ歌舞伎として見ていただけて本当に嬉しいです。ぜひ楽しんでいただければと思います」とコメントがあり、最後には二人の写真撮影タイムも!ティーチインは盛況のうちに幕を閉じました。
