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【作品データベース】喜劇は終りぬきげきはおわりぬ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・84分 大船作品
大庭秀雄の演出作品。戦時中の統制会社をバックに、官僚や軍部と結託した河村黎吉扮する資本家を風刺したもの。

STORY
大戦中、我国においては多くの統制会社が続出した。それは資本家が自己擁護のために官及び軍と結託して生まれたものである。従ってその中枢メンバーは概ね軍人及び官僚人によって占められていた。1940年のある夜、正吉(河村黎吉)の家ではささやかな祝宴が催されていた。それは正吉が明日から木村統制会社の某位置につくためだった。当時、一般の風潮として、そうした役員になることは大変名誉なことと思われていた。隣人、孝太(坂本武)の妻(高松栄子)などは大変それを羨んだほどだった。正吉の娘秀子(風見章子)と隣家に下宿している画家の上田(安部徹)とは人知れず愛し合っていた。上田は空襲下にあっても秀子の美しさを讃えた。また戦争以来の日本が美ということを口にするのを避けたがっている傾向を彼は慨いた。数日後、統制会社における正吉は生来の善良でユーモラスな性質から一般の人々の要求なども快く受け入れ、女事務員などにもやさしい人として好評だった。しかし、このことは上役で官僚出身たる奥村(斎藤達雄)や古屋(東野英治郎)には面白くなかった。なぜなら奥村等によれば現在の日本を導いているのは軍人と役人である。いやしくも役人たるものは軍人と同様、威厳をもって人民を威圧するものでなければならなかったからである。正吉は烈しく叱責された。そして、その気軽なユーモラスな態度を捨てるように命じられた。正吉は困った。しかし命令である。彼はやむを得ず威張る練習をして見た。何も知らぬ彼の妻(杉村春子)と娘は夫の変貌を不審に眺めた。幾日かたち、正吉は辛うじて奥村らのいわゆる「役人の風習」を身に装うことが出来るようになった…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
河村黎吉
杉村春子
空あけみ
東野英治郎
斎藤達雄
坂本武
徳大寺伸
風見章子
- スタッフ -
監督:大庭秀雄
脚本:池田忠雄
脚本:大庭秀雄
脚本:中村登
撮影:中村喜代治
音楽:浅井挙曄

配給:松竹
Ⓒ1946松竹株式会社

ジャンル:現代劇