女生徒と教師

公開日：1946年3月7日（木）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・81分　大船作品
航空機工場の動員女学生が、監督の教師のために妊娠するというショッキングな内容を扱い、日本映画にはじめて取り上げられた性欲と恋愛の解放を主題にした問題作。

STORY
戦争が終わって美しい平和の色が溢れている梅花女学校。その校長室、平田教授（水上令子）から井口校長（岡村文子）に洩らされた事件はあまりに意外なかつ恐るべき事実だった。それは戦争中航空工場へ挺身隊として派遣されていた五年一組の総代隅田なつ子（山中一子）が事もあろうに妊娠しているという噂なのである。驚いた校長はこの事件を外部へ漏らしては教育界の由々しき問題となるので秘かに調査したところ隅田なつ子が工場に働いていた当時の監督が里見教師（増田順二）であり里見となつ子は相愛の仲ということがわかり、疑惑の眼は一斉に里見の上に注がれた。なつ子の家庭では娘の妊娠という医師の診断に呆然とした。母親（三笠朱実）はなつ子の兄安雄（安部徹）に打ち明ける。安雄は事情を調べるべく妹の部屋へ入るが妹の夢に「先生」とつぶやくのにハッとする。一方何も知らず田舎に帰省していた里見はブラリと学校へ帰る早々校長は彼を呼びつけ真相を問いただすのだが、彼は頑なにこれを否定し責任は立派に取ると断言する。安雄はなつ子の日記により彼女が工場にいたある日の空襲下に,なつ子が待避の際に気を失って倒れたまま何者かに防空壕の中へ連れ込まれ意識を恢復した時彼女を抱えていたのは里見だった,と言う記録を読みもはや何の躊躇もなく里見を訪れる。