映画・アニメの世界

【作品データベース】待ちぼうけの女 まちぼうけのおんな

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・89分
京都作品 新藤兼人のオリジナル脚本『待帆荘』を、マキノ正博が監督し映画化。ある港町にある宿屋を舞台に、そこを訪れる人々の人間模様を描いたドラマ。  港町の宿屋“待帆荘”の息子は戦争で命を落としたが、その嫁である早苗は明るく元気に宿屋を切り盛りしていた。宿には、疎開先から故郷を目指す一家、復員したが家も家族も安否がつかめない青年、そして待帆丸の乗組員とその家族など、様々な人々が行き交っていた。待帆丸の故障が直り、いよいよ出航の時が来た。それぞれの思いと希望を乗せて、船はゆっくりと港を出るのであった。

STORY
ある港町の商人宿「待帆荘」に泊まり合わせた人々、疎開先から焼け野と化した昔の住み馴れた土地を慕って帰って行く一家。復員したものの帰るべき家もなく妻子の行方すらわからない人々、それらの人々をめぐって待帆丸の船長とその家族との間にくりひろげられる美しい物語。この宿の若い嫁早苗(川路龍子)は良人を戦争で失いながらも常に明るく働いて一家をきり回している。待帆丸の機関手である源さん(神田澄孝)は船長寛市(小杉勇)の娘くに枝(星光子)と相許す仲であるが、寛市が船を動かす為に油をヤミで買うのが気に食わない。復員の途次友人藤川(佐野周二)に誘われて彼の郷里で同行中の吉田(山内明)は故障を起こして二、三日動かない待帆丸を鮮やかな技術で修繕し、寛市はその腕に惚れて船で働くことをすすめている。吉田も別に帰る家もなし、それに寛市の娘孝子(朝霧鏡子)に好意以上のものを感じ彼の心は動揺する。船の故障が直り明日はいよいよ待帆丸は出帆する。皆の顔は明るい。おまけに今宵は源さんとくに枝の結婚式が挙げられている。ところが二階に泊まっている一人の女の顔は晴れない。体ひとつを資本に南方を渡り歩いて帰って来た彼女を待っていたものは何であったろう。いよいよ船が出る。複雑な表情で別れを交わす旅立つ人々。吉田と孝子の意味深長な表情、意を決した吉田は荷物を投げ捨てロープを手に船に乗り込むのであった…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
高峰三枝子
小杉勇
日守新一
神田澄孝
朝霧鏡子
星光子
川路龍子
山内明
佐野周二
三井秀男
槇芙佐子
- スタッフ -
監督:マキノ正博
脚本:新藤兼人
撮影:三木滋人

配給:松竹
©1946松竹株式会社

ジャンル:現代劇