INTRODUCTION
上映時間・80分　京都作品
菊田一夫原作「長崎」より、大曾根辰夫監督作品で、水島道太郎主演の活劇。

STORY
順三（水島道太郎）は船員上りのならず者で、上海の魔屈を根城に蘇州の鉄（佐伯秀男）を弟分として悪事を働いていたが、傷を負い、危いところを栗原先生（月形龍之介）に救われてからきっぱり足を洗う。栗原は順三を長崎へ連れ帰り、育児院「希望の家」で子供たちの世話をさせる。栗原の温情と保母みち子（月丘千秋）の純情によって、彼は更生の一途を辿った。ところがいつか長崎へ舞い戻った蘇州の鉄は、是が非でも順三を阿片密輸の仲間に加えようとして、あらゆる機会を設け、ついに彼をのっぴきならない世界に追い込んでしまう。ところが自暴自棄の彼に鉄の女房お浜（木暮実千代）が好意を示したことが原因となり、順三は嫉妬の鉄に撃たれる。そしてそこへ呼ばれた老医師は、先頃順三が上海に売り飛ばすために誘拐した娘（西川壽美）の父親貝塚（斉藤達雄）であった。貝塚は順三が想像した通り憤然として手当てをせずに去ろうとするが、折から教会から流れてくる鐘の音に思わず憎しみを越えた愛情をよみがえらせ、順三に手当を加え、彼の生命をとりとめる。順三は、始めて人間の幸福の所在をはっきりと知る。彼は折から長崎を出帆する船に、密輸阿片を積み込み、誘拐した女たちを送り出そうとしている悪漢の本拠へ乗り込み鉄たちと闘う。彼は重傷を負うが、鉄一味もかけつけた警官隊に捕われた。死に瀕した傷の痛みを耐えながら、順三は栗原やみち子のいる懐かしい「希望の家」に辿り着いた。

- キャスト -
水島道太郎
木暮実千代
月丘夢路
月丘千秋
- スタッフ -
原作：菊田一夫
監督：大曾根辰夫
脚色：柳川真一
撮影：服部幹夫
音楽：大久保徳二郎

配給：松竹
Ⓒ1947松竹株式会社

ジャンル：現代劇