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【作品データベース】情炎じょうえん

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・76分 大船作品
渋谷実の戦後帰還第一回監督作品。久板栄二郎の原案を自身が脚色した。撮影は長岡博之の担当。松竹の担当する憲法発布記念映画として、男女同権を主題とした新憲法制定記念話題作として公開された。

STORY
野々村浩介(佐野周二)は復員後自分が妻(水戸光子)に対して全く愛情を失っていることを知り、日夜煩悶していた。妻ひろ子は難しい浩介の両親(東野英治郎、高橋トヨ)にまめまめしく仕えていたが、浩介の両親は結婚の解消を望んでいた。今の気持ちはどうすることもできず、両親の勧めに従い、偽ってひろ子を彼女の故郷に連れ戻り、そこで離婚に同意させるため千葉の家から二人で上京する。何も知らないひろ子のいそいそとした様子を見ている浩介の心には苦しいものがあった。二人は今は豪勢なブローカー生活をしている伯父夫婦の家を訪れたが、そこでひろ子が見たものは女をただ男のおもちゃとしか考えていない伯父(小沢栄太郎)の姿だった。浩介が伯父のそんな態度を肯定しているようなのもひろ子にとって悲しいことだった。そしてひろ子はふと浩介の荷物の中に隠された離婚同意書を発見し、動揺する心を押さえることができなかった。やがて二人は思い思いの気持ちで西下の汽車に乗ったが、途中浩介が発熱したため田舎の街に下車した。ひろ子は高熱の浩介を看病しながら、現在自分がおかれている皮肉な立場を悲しく思った。浩介は夜更けにふと廊下の片隅でひろ子が氷を割っている音を聞き激しく心を動かされた。翌朝決心したひろ子は良人と別れ一人で尾道に帰郷した。故郷では事情を知らない祖父(笠智衆)が久し振りの孫娘の帰郷を喜んだが、母(杉村春子)や姉(信千代)夫婦はひろ子を元のさやに収めたいと考え説得に努めた。その頃ひろ子の跡を追って浩介がやってきた。しかしひろ子はやはり別れることが正しいのだと思い、友人絹子(高峰三枝子)の勧めで職業に就く決心をした。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
佐野周二
水戸光子
高峰三枝子
杉村春子
- スタッフ -
原案:久板栄二郎
監督:渋谷実
脚本:渋谷実
撮影:長岡博之
音楽:浅井挙曄

配給:松竹
Ⓒ1947松竹株式会社

ジャンル:現代劇