映画・アニメの世界

【作品データベース】モデルと若様もでるとわかさま

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・74分 京都作品
明治32年大晦日、慶応義塾の行った世紀送迎祭にヒントを得、アルトハイデルベルヒ型の学生映画を狙う依田義賢の脚本を、溝口健二門下で新興、南旺映画時代『流旅の人々』『南風交響樂』等を作った高木孝一が久々に監督した。全裸のモデルを画面に見せて話題となった。

STORY
啓蒙義塾パレットクラブの学生たちは、モデルのタア坊(轟夕紀子)とクラブ員の青江清輝(水島道太郎)の郷里にスケッチ旅行に出かける。清輝は宮津の御領主の嗣子であったが古い因習のかせの中に育ってきたという清輝のしみじみした思い出を聞かされたタア坊は、清輝に恋をするようになった。東京に帰って秋の展覧会への出品に一行は創意を凝らすが、タア坊をモデルにとの皆の運動を尻目に、彼女は清輝のモデルになった。クラブ員一同もいつしか二人の愛情の深さを知り、二人の結ばれる日のため大いに声援する。展覧会には一同の絵は全部入選したが、裸体画は風俗を乱すと警視庁から圧迫されたため清輝の絵は出品されない。これが新聞記事となり二人の間は曲解され、清輝の郷里からは清輝を連れ戻そうとかかってくる。十九世紀も終ろうとする大晦日、啓蒙義塾では二十世紀を迎える「世紀送迎祭」が催される。清輝は家令の命をかけての説得で郷里へ帰らねばならなくなる。十九世紀最後の夜、1899年12月31日、12時15分前。三田山上の夜の闇に世紀送迎の歌声が流れる。涙ぐむタア坊の目に群集ををかきわけて駆け戻って来る清輝の姿が映った。清輝は廃嫡され自由の身となって帰って来た。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
轟夕起子
水島道太郎
三井弘次
佐伯秀男
- スタッフ -
監督:高木孝一
脚本:依田義賢
撮影:竹野治夫
音楽:大沢寿人

配給:松竹
Ⓒ1947松竹株式会社

ジャンル:現代劇