映画・アニメの世界

【作品データベース】風の中の牝鶏

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・83分
小津安二郎監督の復員後第2作目。幼子の急病と入院のためにやむを得ず一夜身を売った妻(田中絹代)を、戦地から帰った夫(佐野周二)が許すまでを描く。そのテーマ性によって『雪割草』『恋文』といった一連の”戦争と貞操”もの映画に位置付けられてもなお、演出は小津らしく緻密。

STORY
間借り生活の時子(田中絹代)は小さい浩をかかえ、まだ復員してこない夫修一(佐野周二)の帰りを待ちわびていた。時子は頼りにしている友達秋子(三宅邦子)を時折訪ねては、一枚、二枚の着物を託し、それを同じアパートの織江(村田知栄子)に買ってもらうのだった。今日も時子は秋子を訪れた。織江はそうした時に「時子さん、きれいだからその気になりゃ、こんなことしなくてもいいのに・・」と言うのだ。その日家に帰った時子は、突然の浩の発熱に驚きうろたえて近所の病院へ走った。浩は急性大腸カタルであった。何本も注射が打たれ、なんとか命だけはとりとめることが出来たが、次に時子の上にふりかかって来たものは病院の支払いであった。彼女はどうすることも出来なかった。迷った時子の足は織江を訪ね、そして月島のいかがわしい家に、知らぬ男との一時を過ごしてしまった。数日後浩は無事に退院した。秋子は織江の口から時子のことを知って驚き、時子をなじった。「何故私にいってくれなかったの?」だが時子にしてみれば、貧しい秋子に相談して秋子を困らせたくなかったのだ。それにしても何という馬鹿なことをしてしまったのだろう。時子は、犯した過ちの大きいことに、今更胸をしめられる思いであった。そうしたある日、突然夫修一が帰って来た。修一はつい最近浩が病気をしたことを知り、病院の支払いをどうしたかと尋ねるのに、時子は胸がつまって答えることが出来ない。何か疑惑を感じた修一に強く問いつめられ、ついに時子は何もかも言ってしまうのだった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
田中絹代
佐野周二
笠智衆
村田知英子
- スタッフ -
監督:小津安二郎
脚本:斎藤良輔
脚本:小津安二郎
撮影:厚田雄春
音楽:伊藤宣二

配給:松竹
©1948松竹株式会社

ジャンル:現代劇