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【作品データベース】晩春 ばんしゅん

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・108分
大船作品 小津安二郎監督の戦後3作目で作品評価の高さとともに興行的成功も収めた。やもめの父を気遣って結婚をためらう娘とそれを見守る善意の人々の物語は、その後の小津の作風を決定づけ、復活した脚本家野田高梧とのコンビは、遺作の『秋刀魚の味』まで続く。杉村春子の演技が絶妙。

STORY
曽宮周吉(笠智衆)は大学教授をしながら鎌倉に娘の紀子(原節子)と二人で住んでいた。周吉は早くから妻を亡くし、その上戦争中に無理した娘の紀子が身体を害した為、長い間父と娘はどうしても離れられなかった。そのために二七歳の年を今でも父に尽くし、父は娘の面倒を何くれとなくみてやっていた。周吉の実妹、田口まさ(杉村春子)も曽宮家に出入りして彼等の不自由な生活の一部に気を配っていた。このごろでは紀子も元気になり、同級生であり友達でもある北川アヤ(月丘夢路)と交友していた。アヤは一旦結婚したが、夫の暴力にあい今では出もどりという状況。また周吉の助手をしている服部昌一(宇佐美淳)も近々結婚するという。気が気でないまさは、何とかして紀子を結婚させようとするが、紀子は首を縦にふらなかった。一度は助手の服部と紀子を結ばせようと考えていた周吉とまさは、服部にはすでに許婚があると聞いて思い直し、新たに候補者を薦めるのであった。一方周吉と昔から親友である小野寺(三島雅夫)は、京都の大学教授をやっていた。たまたま上京した際、後妻をもらったことで紀子に不潔であると言われた。紀子はそれから父の動きをそれとなく伺っていた。叔母のまさは茶会で知った三輪秋子(三宅邦子)という美しい未亡人を心の中で兄の周吉にと考えていた、それを紀子に、彼女の結婚を進めながら話してみたが、紀子は自分の結婚よりも父の再婚に気をとられていた。紀子はそれからというものはなんとなく変わっていった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
笠智衆
原節子
宇佐美淳
月丘夢路
三宅邦子
- スタッフ -
原作:広津和郎
監督:小津安二郎
脚本:野田高梧
脚本:小津安二郎
撮影:厚田雄春
音楽:伊藤宣二

配給:松竹
©1949松竹株式会社

ジャンル:現代劇