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【作品データベース】花の素顔 はなのすがお

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・111分
大船作品 朝日新聞連載小説、舟橋聖一の原作をもとに、斎藤良輔が脚色。監督は渋谷実が担当。離婚の危機を迎えた夫婦の姿を描く。蓼麻美子は銀座で洋裁店を経営し、家計を支えていた。才色兼備の麻美子は社交界でも評判で、画家の緒山や政治家の大垣などと付き合いがあった…。

STORY
銀座裏にあるしょうしゃな洋裁店「ヌーン」の経営者蓼麻美子(木暮実千代)は、売出し中の画家の緒山栗夫(佐分利信)や、某政党の幹事長の大垣(山村聡)をはじめ、社交界においてその美貌と理智の美しさで評判であった。彼女の夫真吉(若原雅夫)は昔、緒山と友達であったが、今は絵筆を捨て結婚以来十年にもなる。しかしまだ絵には執着をもっていた。それに麻美子は「ヌーン」の経営で蓼家をまかなっているばかりでなく、義父高晴(菅井一郎)の妾お園(村田知栄子)のまで面倒見ていたし、高晴の現在の妻辰子(杉村春子)は後妻で、吉晴(佐田啓二)は真吉とは腹違いの兄弟であった。この様な複雑な家で麻美子はいろいろと苦労するばかりなので、気晴らしに良人の友達の緒山達と交際がしげくなっていた。しかし麻美子は真吾に対する愛情は変わりなかった。緒山は昔は真吉と麻美子の事で奪い合ったが、今は彼は芸術の中の美に無我夢中であった。当然噂は噂を呼んで麻美子の弟子能里子(折原哲子)につきまとう吉晴の中傷で、蓼家には麻美子の行状が曲解されていた。ちょうどそのころ麻美子は盲腸炎にかかり全快して大垣幹事長の熱海の荘別に静養に行っていた。もちろん緒山はつきまとっていた。真吉は麻美子を信じてはいたものの噂にぐらつき出した。そこで「ヌーン」を無断で東和繊維の社長の服部に売ってしまい、その金でアトリエを買い、絵を再び志すことによって麻美子の関心を緒山から奪い返そうと思っていた。当然能里子も蓼家に帰るのをきらって真吉と同居生活を始めた。麻美子が熱海から帰ると蓼家では麻美子が悪いからだと言って、さんざん悪口を言われたので飛び出してしまった。麻美子と真吉との間はこんな事でますますこじれてしまって、遂に離婚沙汰まで起こった…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
木暮実千代
折原啓子
佐分利信
若原雅夫
岡田英次
- スタッフ -
原作:舟橋聖一
監督:渋谷実
脚色:斎藤良輔
撮影:長岡博之
音楽:服部良一

配給:松竹
©1949松竹株式会社

ジャンル:現代劇