映画・アニメの世界

【作品データベース】春雪しゅんせつ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・87分 大船作品
新藤兼人の脚本を吉村公三郎が監督する。撮影も同じ生方敏夫の担当。主演には新人藤田泰子が抜擢され、志村喬、佐野周二の他、沢村晶子、龍崎一郎らがそれぞれ出演する。

STORY
東横線田園調布駅から毎朝渋谷駅に勤務する孝子(藤田泰子)は、吉川家の四人姉妹の長女で、彼女には同じ東横線の運転手をしている木島敏夫(佐野周二)という婚約者がいた。婚約してから両家の経済状態が思うようにならず二年もたってしまったのである。この頃ちょうど折悪しく孝子の父(志村喬)は、ある鉄工所の職工をしていたが、会社の経営が良くない上に、年が年だけに失業してしまった。母(英百合子)はコボしてはみたもののどうにもならぬまま暗い空気が一層家庭の中を覆っていた。しかし健気にも妹の友子(沢村晶子)は何を思ったか近所のセメント会社の社長宅に女中奉公を決心して勤め出した。だが孝子の月給と友子の月給ではいくら弟の浩一(高橋貞二)がアルバイトをしながら学校に通っていても、到底吉川家を支える事は難しかった。それに末妹の広子(山本清子)はまだ小学生である。この様な家庭状況の中で、孝子は木島との婚約をそれとなく急いでいたが、同じ孝子の立場が木島であった。いざ結婚するといっても木島は木島で月給の半分を家に送っている現在、孝子同様の重荷なのである。好きで好きで婚約した二人の気持ちは何かにつけて暗く過ごす様になってしまう。一方岡崎家に女中奉公した友子は、暖かい家庭の雰囲気に包まれて楽しく働きに喜びを感じていた。岡崎家の一人息子の保(龍崎一郎)はある交響楽団の指揮をやっていた。彼の妻は一人娘朱実を残して死んでしまった現在、何かにつけて不自由であったが、彼の両親が朱実の一切の面倒を見てくれていた。とある日孝子は、ふとした事から知り合った岡崎保に、その気質を見込まれて正式に結婚を申し込まれた…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
藤田泰子
佐野周二
龍崎一郎
沢村貞子
志村喬
沢村晶子
高橋貞二
- スタッフ -
監督:吉村公三郎
脚本:新藤兼人
撮影:生方敏夫
音楽:吉沢博

配給:松竹
Ⓒ1950松竹株式会社

ジャンル:現代劇