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【作品データベース】乙女の性典おとめのせいてん

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・72分 京都作品
雑誌「平凡」連載の小糸のぶの原作を、猪俣勝人が脚色、大船の大庭秀雄監督が松竹京都で第一回監督。撮影は竹野治夫が担当。出演は、飯野公子、佐田啓二、桂木洋子、月丘夢路の主演。日本性教育協会の協力を得た青年子女の正しい性教育を説く異色映画。思春期の少女のセックスの問題を正面から取り上げた話題作として、不信の業界に立ち直りのチャンスをもたらした。

STORY
放送討論会の会場で、性道徳の退廃を発言して、嘲罵された青年立花哲也(佐田啓二)の顔が何となく印象に残った婦人警官の岩下友江(飯野公子)は、担当補導中の不良女学生、石原三枝子(桂木洋子)のことで、受け持ち教師を訪問して、そこで偶然にも哲也と再会した。哲也は三枝子が単なる欠席をしているものと気にもとめていなかったが、友江の話によるとすでに妊娠までしているというのだった。その問題はついに職員会議にまで波及して、結果は哲也と友江の意見に反して、多数決で退校処分と決まってしまったのである。哲也の下宿する恩師の家には、かつて相愛の仲であった娘の千津子(月丘夢路)がいたが、哲也が復員してきたときは制服姿の清純さも消え、放埒な有閑令嬢と変わっていた。哲也が、そういう千津子から遠ざかろうとすればするほど、千津子は哲也の身辺から離れなかった。あるクリスマスの晩、千津子は、家出中の三枝子を家に連れ込んで当分面倒をみると言い出した。明らかに哲也に対する嫌がらせだった。千津子に言わせれば、三枝子の犯した罪は、わずかの些細な間違いから起こったことだというのだ。すべてこれらの青年子女の過失は、性教育の不備からくるものと結論した哲也と、友江は、二人で性教育協会を訪問して福本博士(永田光男)の指導を得て、学校にも性道徳の教育をしようと努力するのだった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
佐田啓二
月丘夢路
飯野公子
桂木洋子
青山宏
- スタッフ -
原作:小糸のぶ
監督:大庭秀雄
脚色:猪俣勝人
撮影:竹野治夫
音楽:伊福部昭

配給:松竹
Ⓒ1950松竹株式会社

ジャンル:現代劇