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【作品データベース】帰郷 ききょう

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・104分 大船作品
大佛次郎の新聞小説を映画化した大庭秀雄監督の代表作。第二次大戦中、軍の金を使い込んだ罪を負って海外逃亡していた守屋恭吾は、シンガポールで佐衛子と出会い、別れる。戦後、隠れるように帰国する恭吾。だが妻は再婚していた。佐衛子のなかだちで、成長した娘と会うのだが、二人の平穏な生活を乱すまいと、彼は再び日本を去って行く……。脚本は小津作品で知られる池田忠雄。

STORY
第二次世界大戦中、シンガポールが日本軍の手にあったとき、この町で料亭を経営していた高野左衛子(木暮実千代)という女性は、その美貌と辣腕とをもって軍部のあいだに顔を利かせていた。そうしたある日、海軍参謀の牛木大佐(柳永二郎)が、左衛子をマラッカのある華僑の家へ連れて行って、守屋恭吉(佐分利信)という男に紹介した。恭吉は、牛木と海軍で同期生であったが、海外にあるとき上官や同僚の汚職を自分が一人でひっかぶって姿を消し、長年海外の放浪を続けていた男であった。牛木大佐は間もなく軍の作戦でシンガポールを去ったが、ある日、シンガポールの町で、恭吉と左衛子は再び会い、空襲のあった夜を、ホテルの一室で過ごした。左衛子はその一夜で深く恭吉を愛したが、恭吉は再び逢うことを拒み、その上左衛子が秘かにダイヤモンドを買いあさっていることなどを、それとなく皮肉に指摘されたことの口惜しさも手伝って、不審人物として恭吉の跡をつけ回っている憲兵曹長に、恭吉を売ってしまった。終戦後、再び左衛子は東京にその麗姿を現わし、築地に料亭を経営するかたわら、銀座にキャバレーを開店し、その上、岡村俊樹(十代目岩井半四郎)というアプレ学生に出資して出版屋をやらせていたが、ふとしたことから守屋恭吉の日本へ残した娘伴子(津島恵子)の所在を知って、これに近づいて行った。それと同時に、俊樹を使って、恭吾のその後の消息を探らせた。俊樹は、鎌倉に住む牛木を訪ねて、恭吾が日本へ帰っていること、目下京都へ行っていることなどの情報をもたらした。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
佐分利信
木暮実千代
津島恵子
徳大寺伸
山村聡
- スタッフ -
原作:大佛次郎
監督:大庭秀雄
脚色:池田忠雄
撮影:生方敏夫
音楽:吉沢博

配給:松竹
©1950松竹株式会社

ジャンル:現代劇