地獄の血闘

先行公開日：1951年1月20日（土）
一般公開日：1951年1月22日（月）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・88分　京都作品
原案を菊島隆三が立て、脚本を鈴木兵吾と津路嘉郎が協力して書き、監督には、大曾根辰夫が当たっている。出演は水島道太郎、鶴田浩二、井川邦子、野上千鶴子、他に田端義夫、菅井一郎、佐伯秀男などが助演。「地獄の顔」「長崎物語」と三部作をなす長崎ものの一つ。

STORY
港長崎にキャバレー・パウリスタを経営する町の顔役野村（佐伯秀男）は、妻の君江（志織克子）が胸を病んで入院中に、情婦朱実（井川邦子）を店に入れたが、朱実には野村一家で幅を利かしている次郎（鶴田浩二）という情夫があって、野村の前もおかまいなしのふるまいであった。朱実は野村からパウリスタを奪い、次郎は恋人として引きつけておこうという、したたか者であった。しかし次郎には朱実のほかに千恵子（野上千鶴子）という恋人があり、妊娠していた。千恵子はその相談にパウリスタを訪れて、次郎から冷ややかに追いかえされた。その帰路、千恵子は教会の前で倒れ、伝道師の宮下一郎（水島道太郎）に助けられた。一郎は千恵子の事情を聞いているうちに、その相手のやくざが自分の探していた弟次郎であることにおどろき、兄弟は再会することが出来た。その昔、兄一郎の不行跡をいさめて首に疵を負った次郎が、いまでは兄のいさめを聞き入れようとはしなかった。千恵子は神父浜崎（菅井一郎）からも暖かく慰められるが、ついに決心していかがわしい産院で、お腹の子供の仕末をつけようとしているところを一郎や、次郎の弟分で、善人の義公（田畑義夫）の手で救われる。次郎と朱実の態度に嫉妬の炎をもやした野村。どんなことをしても次郎を真人間に立ちかえらせたいと思う一郎、朱実のことを聞いて病院を脱け出して来た君江、愛憎の人々が期せずして一夜パウリスタに集まり、一郎と次郎、次郎と野村との間に、激しい血闘が展開された！