INTRODUCTION
上映時間・83分　大船作品
伏見晁が雑誌「ロマンス」に掲載の自作原作より脚色し、佐々木康が監督に当たっている。撮影は厚田雄春。配役は美空ひばり、淡島千景と桂木洋子。高橋貞二、その他大船専属の助演陣である。父を求める涙の少女に女剣劇をからませて、人気スター出演の家族向き娯楽篇として大ヒットした。

STORY
ある港町の船大工金之助（河村黎吉）の養子みどり（美空ひばり）は生まれつき歌が上手だった。母は死に、父は出征したきり消息不明で、孤児のみどりは金之助夫婦に貰われたが、まもなく夫婦の間には赤ん坊が出来たため、邪魔者扱いされていた。町へ女剣劇一座が来たとき、女奇術師勝玉斎晴江（淡島千景）に親切にされたのが忘れられず、そのまま一座について巡業についてまわることになった。歌のうまいみどりは、人気者になって得意の歌で人気を呼び、一座の人々にも可愛がられたが、座長の吉澤（安部徹）だけはみどりを目の敵にしていじめた。その吉澤は久保田（高橋貞二）という恋人のあるのを承知で晴江に片思いしていたが、みどりの邪魔でなかなか思いを果たすことが出来ないからだった。やがてこれもみどりのために久保田をやつけようとしていた奸計がばれて、吉澤は光代（桜むつ子）という一座の女と有り金を持ってドロンをしてしまう。しかしそれからはかえってみんな朗らかになり、みどりを一枚看板にして東京へ進出した。みどりが人気者になったと知ると、実父だと名乗る偽者が現れたり、養父金之助が迎えに来たりしたが、結局みどりを小さな頃から世話してくれた保育園の杉野先生（桂木洋子）の手びきで、アンタサン島から生還した実父政治（斎藤達雄）にめぐり合うことが出来た。それからは巡業のトラックの上で父の膝に抱かれて行くみどりの幸福そうな顔がみられるようになった。

- キャスト -
美空ひばり
淡島千景
桂木洋子
高橋貞二
堺駿二
- スタッフ -
監督：佐々木康
脚本：伏見晁
撮影：厚田雄春
音楽：万城目正

配給：松竹
Ⓒ1952松竹株式会社

ジャンル：現代劇