映画・アニメの世界

【作品データベース】紅扇べにおうぎ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・95分 大船作品
田中澄江が婦人倶楽部に掲載の原作「母の舞う時」から脚色したもの。NHKからラジオ・ドラマとして放送された。監督は原研吉で、森田俊保が撮影に当たっている。主な出演者は、木暮実千代、柳永二郎、十代目岩井半四郎、高橋貞二と幾野通子、小林トシ子のほか、森川まさみ、小園蓉子、市川春代、吉川満子など。

STORY
新橋菊之家の菊奴(木暮実千代)は、踊りと男嫌いで通った芸者だったが、抱えの文江(幾野道子)が愛人の、芸能新聞の記者瀬木(高橋貞二)の子を身ごもったと知ったとき、文江に早く腹の子を処分することを薦めた。それは彼女の過去に同じ経験があるからだった。十九年前花子と名乗って芸者で出ていた時、彼女は愛人山川(柳永二郎)にすてられその上二人の間の子供を、相手の夫人に取りあげられてしまったのだった。それからの彼女は一時自棄になって、堅気になった親友の春子(市川春代)がたずねて来ても無愛想にあしらうのだった。しかし、終戦後山川家の焼跡をたずね、自分の生んだ子の行方も知れないとなると、彼女は呆然としてしまった。しかし偶然出会った昔の師匠しげ(吉川満子)に会ったり、春子に励まされたりして、再び新橋から出て、今は芸一本で生きる名妓としてうたわれていた。彼女を世話しようという土建屋安田の元主人が山川で、安田の口から娘百合子(小園蓉子)が山川夫人(森川まさみ)の手で立派に育てあげられると聞いたとき、彼女は娘に会えないながらも生き甲斐を感じた。そして母情のせつなさを描いたが為に断っていた新作「隅田川」を踊る決心をすると共に、文江にも立派に赤ん坊を産めと、温かく言った。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
木暮実千代
高橋貞二
水原真知子
幾野道子
十代目岩井半四郎
- スタッフ -
監督:原研吉
脚本:田中澄江
撮影:森田俊保
音楽:加藤光男

配給:松竹
Ⓒ1952松竹株式会社

ジャンル:現代劇