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【作品データベース】現代人げんだいじん

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・112分 大船作品
猪俣勝人が脚本を書き、斎藤良輔が潤色している。監督は渋谷実、撮影は長岡博之が担当。主な出演は池部良、小林トシ子、山村聡、山田五十鈴の他、高野由美、多々良純、伊達信など。山村聡の汚辱官吏とその娘、愛人、狡猾な土建業者などを対象に、良心と悪徳をないまぜに持つ部下の青年が犯す殺人放火罪を描き、複雑な現実と観念の谷間に彷徨する現代人の生態を示そうとした野心作。

STORY
建設局管理課の荻野課長(山村聡)は、主任の三好(伊達信)とともに岩光土木工業と結託して汚職を重ねていた。荻野の妻(高野由美)は胸を患って富士見高原で療養していたので、そのためにも金が入用であった。しかし三好が地方へ左遷されたのを機会に、彼は足を洗おうと決心した。三好の後釜で主任になった小田切徹(池部良)は若く真面目な青年なので、自分の娘泉(小林トシ子)と結婚させたいとも考え、小田切には三好の二の舞はさせまいと考えたのだった。ところが岩光(多々良純)は、色々と手を変え品を変え、自分が荻野に取り持ったバーのマダム品子(山田五十鈴)まで動員して荻野の決意を鈍らせ、その上小田切までもまんまと引きずり込んでしまった。小田切は純情な青年であったが一種アプレ的神経の持ち主で、岩光との取引も事務的に巧みに処理してボロを出さないばかりか、荻野の娘泉が好きになると彼女の幸福を考えて、荻野を岩光との取引から手を引かせ荻野と品子の手を切らせるために、彼自らがマダムに体当たりすることも辞さなかった。そんな彼の実行力は、マダムにまだ未練を持つ荻野や純潔な処女の泉には理解のできないことでもあった。父母と三人で世界一幸福な家庭を持つという泉の夢も満たされないうちに、泉の母は高原の療養所で死んでいった。そんな中、荻野と泉が富士見へ駆けつけた留守に、小田切は岩光を酔ったあげくに殴り殺してしまった…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
池部良
山田五十鈴
山村聡
小林トシ子
望月優子
- スタッフ -
監督:渋谷実
脚本:猪俣勝人
潤色:斎藤良輔
撮影:長岡博之
音楽:奥村一
音楽:吉沢博

配給:松竹
Ⓒ1952松竹株式会社

ジャンル:現代劇