映画・アニメの世界

【作品データベース】母は叫び泣くはははさけびなく

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・88分 大船作品
比島モンテンルパにある戦犯者の心を歌う「モンテンルパの夜は更けて」を主題歌として、戦犯者を子に持つ母を描く作品。椎名利夫が脚本を書き佐々木啓祐が監督に、同じく鶴見正二が撮影に当っている。主な出演者は、川喜多雄二、紙京子、佐田啓二などのほかに、市川春代、吉川満子、三宅邦子など。

STORY
澤田敬子(紙京子)と高木英樹(佐田啓二)の結婚披露宴の席で、敬子の実母大澤妙子(森川まさみ)が敬子の養母菊江(市川春代)に斬りつけられ大騒ぎとなった。取調べの検事に菊江は次のような事情を語った。二十年前、夫を失った菊江は六才の長男進(堺正章)を実家にあずけて五島家へ女中奉公していた。五島家の娘妙子(森川まさみ)は音楽教師原田(日守新一)と恋仲になり子供敬子を生んだが、五島家では結婚を許さず、妙子は他家へ嫁がせられた。菊江は敬子を預かって暇をとり、進と一緒に育てていたが戦争の混乱で敬子の養育費も途絶え、進(川喜多雄二)は学徒として入隊して行った。菊子は苦しい中から、あらゆることをして働き、敬子を育て、ようやく原田にめぐり会ってその援助でマーケットに飲み屋を開き、敬子も少女歌劇の生徒となって美しく成長した。その頃、モンテンルパに戦犯として抑留された進から故郷を想う歌を送って来て菊江の胸を悲しみにしめつけた。敬子は音楽部の教師英樹と愛し合い結婚にまで話がすすんだが、菊江の商売をいやしむ英樹の母(三宅邦子)はそれをしぶった。ちょうどブラジルの珈琲王となって帰国していた敬子の実母妙子が子のないところから敬子を探し求め、新聞がこれを記事に取り扱った。原田は敬子の幸福のため大澤家の娘として英樹と結婚させることを菊江に納得させた。当日病床の菊江は堪まらなくなって式場へ出かけるが、式へ出ることを拒絶されたことへの怒りからこの凶行になったのだった…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
市川春代
川喜多雄二
紙京子
佐田啓二
三宅邦子
- スタッフ -
監督:佐々木啓祐
脚本:椎名利夫
撮影:鶴見正二
音楽:万城目正

配給:松竹
Ⓒ1952松竹株式会社

ジャンル:現代劇