INTRODUCTION
上映時間・43分　大船作品
『初恋おぼこ娘』の監督小林桂三郎がオリジナル・シナリオを書き、『好きなアンタハン』の穂積利昌が監督に当っている。撮影は『春の鼓笛』の高村倉太郎。配役の主なものは大坂志郎、野添ひとみ、徳大寺伸などである。

STORY
金庫破りの隼三吉（大坂志郎）は、刑期を終えて刑務所を出所すると、出迎えてくれた老刑事山田文吉（徳大寺伸）に誓った通り、街頭靴磨きとなって更生のスタートをした。ある日地下街の入口で盲目の花売娘を見て同情し、それ以来毎日花を買ってやった。少女は直子（野添ひとみ）といって病気の祖母を養っていた。直子と仲良しになった三吉には、自分が街頭の靴磨きだとは明かさず、会社員と偽っていた。ある日、直子を連れてデパートの屋上遊園地へ行った三吉は直子の眼が金をかけて手術をすれば治る見込みがあると知って、どんなことをしても手術させてやりたいと思い込むようになった。山田刑事（徳大寺伸）が心配していたように遂に三吉は昔の仲間にひきずられて金庫破りをやり、直子にその金をとどけて姿をくらました。それから二週間、直子の目の繃帯がとれる日、三吉は病院に姿を現わした。山田刑事は繃帯のとれるところを三吉に見せてやろうと、その友人を装って一緒に直子の前に立った。けれど三吉を立派な男と思い込んでいる直子には彼が見分けられなかった。三吉小父さんに会ったら早く逢いたいと伝えて欲しい、という直子の言葉を後に三吉は淋しくひかれて行った。

- キャスト -
大坂志郎
野添ひとみ
徳大寺伸
諸角啓二郎
高松栄子
- スタッフ -
監督：穂積利昌
脚本：小林桂三郎
撮影：高村倉太郎
音楽：万城目正

配給：松竹
Ⓒ1953松竹株式会社

ジャンル：現代劇