INTRODUCTION
上映時間・107分　大船作品
武者小路実篤の原作を柳井隆雄が脚色し、原研吉が監督。撮影は森田俊保、音楽は加藤光男が担当。佐田啓二、角梨枝子、上原謙、小林トシ子、香川京子など。

STORY
画家野村広次（佐田啓二）は終戦直前爆風のため失明し、止むなく絵筆を捨てて文学の道に進もうと決心した。妹の静子（角梨枝子）は盲目の兄を助けて献身的に仕えたが、叔父信三夫婦（清水将夫、水上令子）は静子が兄のため青春を無駄に過ごすことに反対し、重役の息子相川三郎（三原純）と見合いをさせた。静子はキッパリとこれを断ったが、そのため寄宿先の叔父の家に居られなくなった。静子は兄の作品を持って評論家の西島（上原謙）を訪れた。西島は同情して快く引越しの金を貸してくれた。兄妹は叔父の家の女中ふみ（香川京子）の好意で、その実家の二階に転居した。広次にはかつて綾子（小林トシ子）という恋人があり、戦災で死んだと思っていたが、実は彼女は広次の旧友で売り出しの人気画家高峰（須賀不二男）の妻になっていた。静子は到底これを兄に告げる事ができず一人悩んでいた。一方、西島の妻芳子（小夜福子）は、夫が兄妹に親切なのは静子の美しさに惹かれているのだと思って嫉妬し、卑劣な相川の口からそれを広次に告げさせた。広次は動揺した。そこへ不意に綾子が訪れて来たので、事実を知った広次は絶望につき落され、もはや誰も信じないと言うのだった。数日後、静子は西島と箱根に遊び、嵐のため余儀なく一緒に投宿し、益々苦しい立場に置かれた。

- キャスト -
佐田啓二
角梨枝子
香川京子
上原謙
小林トシ子
- スタッフ -
原作：武者小路実篤
監督：原研吉
脚色：柳井隆雄
撮影：森田俊保
音楽：加藤光男

配給：松竹
Ⓒ1953松竹株式会社

ジャンル：現代劇