映画・アニメの世界

【作品データベース】景子と雪江けいことゆきえ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・97分 京都作品
東京タイムス等に連載された貴司山治の「愛の高原」より萩山輝男が津路嘉郎と共同してシナリオを書き、監督している。製作は市川哲夫、撮影は竹野治夫。主な出演者は大木実、北竜二、岸惠子、市川春代、小林トシ子など。

STORY
成瀬清(大木実)は結核の新薬を研究中倒れた親友藤川明夫(溝口亮)の遺志を継いで、明夫の父藤川正三(北竜二)の結核研究所へ入った。研究所で清の助手となった小谷雪江(小林トシ子)は明夫との間に愛児までももうけた仲だったが、明夫の亡き今、明夫の親友の清に、心騒ぐものを覚えるのだった。かねて清に関心を抱く研究員、新興財閥西原(柳永二郎)の令嬢景子(岸惠子)は、父に研究所へ莫大な資金を出させたが、西原は清の研究を独占事業化する目的を持っており、清に感づかれて融資を断られた。こんな事で景子と清は気まずかったが、彼女が結核で母を失った為新薬発見に夢中になっている事がわかり、始めて二人の間に和やかな空気が流れた。しかし景子の実母は清の臨床実験中の精神病患者柳沢秋子(高山廣子)であり、秋子の病因が遺伝か結核によるものか、彼女は苦しんだ。一方雪江は総てを藤川博士に打明けようと思いながら、決心がつきかねていたが、これを知った清は藤川博士に告げた。そこへ秋子危篤の報がきた。早速駈けつけた清と景子の手で、二人が研究を重ねた新薬が注射されたが、秋子は景子の名を呼びながら死んだ。しかし秋子は菌が脳を犯しているのであり、景子に悪遺伝がない事がわかった。折から坊やを連れて手伝いにきた雪江を嬉しそうな顔で眺める藤川博士の顔を見た雪江は、潔く清に「景子さんの所へ行って上げて。私はお祖父さんと坊やを育てます」と云った。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
大木実
岸惠子
小林トシ子
市川春代
- スタッフ -
原作:貴司山治
監督:萩山輝男
脚色:萩山輝男
脚色:津路嘉郎
撮影:竹野治夫
音楽:田代与志

配給:松竹
Ⓒ1953松竹株式会社

ジャンル:現代劇