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【作品データベース】あばれ獅子あばれじし

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・98分 京都作品
日本経済新聞に三年間連載された子母沢寛の「勝海舟」より八住利雄が脚色し、大曾根辰夫が監督に当たった時代劇で、阪東妻三郎最後の出演映画である。撮影は石本秀雄、音楽は鈴木静一。放蕩無頼な旗本(勝海舟の父)に扮した妻三郎の好演とともに、この夏随一のヒット作となった。

STORY
十二代将軍家慶の頃。四十石の旗本勝小吉(阪東妻三郎)は剣に秀れ覇気もある男だったが、太平の世の中では彼の評価も薄く、放蕩無頼の生活で鬱憤を晴らして居たのがたたって三十五歳の若さで隠居を命ぜられた。しかし苦しい中にも一子麟太郎(北上弥太朗)だけは江戸随一の剣客島田虎之助(月形龍之介)の門で修業させて居た。ある夜麟太郎から新しい学問、蘭学を勉強したい旨を聞いた小吉は「お前のお袋に楽しい日を送らせてやってくれ」としみじみ言い、女房のお信(山田五十鈴)を泣かせた。一夜明けると昨夜の事はけろりと忘れ、相変らず暴れ廻る小吉はごろつき侍であっても、悪侍小林隼太(山路義人)を懲し、妙見の禰宜(堺駿二)や隣家の岡野家を救うという侠気に、江戸庶民の人気は素晴らしかった。その間、麟太郎は虎之助から免許皆伝を得、蘭学を永井青崖(徳大寺伸)から教えられたが、やはり当時の時勢に入れられなかった。その麟太郎がひょんな事から恋をした。相手は炭屋の娘、辰巳芸者の君江(紙京子)で、彼女が深川の鳶の者にからまれているのを救った事がキッカケだったが、めったにしたことのない麟太郎の喧嘩も小吉とは又違った立派なものだった。以来、君江と麟太郎は時たまの逢瀬を楽しんでいた。小吉は烈火の如く怒ったが、美しくやさしくしかもシャンとした彼女の人物に惚れてしまった。こうして結ばれた二人の間に愛の結晶が生まれる日、かつての恨みを晴らすべく乗りこんで来た…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
阪東妻三郎
山田五十鈴
北上弥太朗
紙京子
月形龍之介
徳大寺伸
市川春代
- スタッフ -
原作:子母沢寛
監督:大曾根辰夫
脚色:八住利雄
撮影:石本秀雄
音楽:鈴木静一

配給:松竹
Ⓒ1953松竹株式会社

ジャンル:現代劇