映画・アニメの世界

【作品データベース】君の名は・第一部 きみのなは・だいいちぶ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・127分 大船作品
脚本家・菊田一夫の代表作。1952年にラジオドラマで放送され、多大な人気を獲得した。「番組が始まる時間になると、銭湯の女湯から人が消える」といわれるほどであったという。ラジオドラマの人気を受けて松竹で映画化されると大ヒットを記録し、氏家真知子のストールの巻き方が「真知子巻き」と呼ばれて女性の間で流行した。真知子と春樹が再会しそうになる(半年ごとの数寄屋橋での待ち合わせなど)が、不都合が起きてなかなか会うことができない。この「会えそうで会えない」という事態が何度も繰り返された。これは後の恋愛ドラマでもよく見られる描写(演出)であり、本作はこのパターンの典型にして古典となっている。

STORY
昭和20年5月24日の東京大空襲の夜、数寄屋橋の上で互いに命を助け合った若い男女後宮春樹(佐田啓二)と氏家真知子(岸惠子)は、半年後の24日の夜、この橋の上で再会しようと約束した。青年は別れ際「君の名は」と聞いたが、彼女は名を言わず立ち去った。しかし約束の夜、真知子は遂に現われなかった。彼女は頑迷な叔父の強制で縁談の為、佐渡ケ島に滞在していたのだ。そこの料亭ひさご家の娘・綾の協力で、やがて真知子は春樹を探し求めるが、ようよう尋ね当てた春樹の姉で戦争未亡人の悠起枝(月丘夢路)もなぜか冷ややかであった。一年後の24日の晩遂に二人は再会したが、それは真知子が浜口勝則と結婚する前日でもあった。勝則と結婚した真知子の生活はうまくゆかなかった。姑は意地悪く、勝則は春樹との間を疑った。その頃綾は上京して、ある宴会の席で勝則に会い、真知子の不幸を打ち明けるが、綾も何となく春樹に惹かれるのだった。しかし春樹は新課長に転任してきた勝則に失職させられる。真知子は夫の卑劣な態度に我慢がならず、春樹の下宿へ詑びに行くが、姑に目撃されて遂に浜口家を飛びだす。数日後、彼女は佐渡ケ島の叔父の家の病床にあった。彼女は離婚を決意するが、既に勝則の子を宿していた…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
岸惠子
佐田啓二
淡島千景
川喜多雄二
小林トシ子
市川春代
- スタッフ -
原作:菊田一夫
監督:大庭秀雄
脚色:柳井隆雄
撮影:斎藤毅
音楽:古関裕而

配給:松竹
©1953松竹株式会社

ジャンル:現代劇