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【作品データベース】東京物語 とうきょうものがたり

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・135分 大船作品
年老いた親が成長した子供たちを訪ねて親子の情愛を確認しあうという題材が、小津の手にかかるとどうなるかを示す傑作。何気ない言動が教える各人の生活、思いがけない心情の吐露と発見、そして何事もなかったかのような人生の悲哀と深淵が見事に描かれている。公開からおよそ60年経った2012年、英国映画協会(BFI)が10年ごとに発表している「映画監督(358人)が選ぶ史上最高の映画」で、『東京物語』は第1位に選ばれた。

STORY
周吉(笠智衆)、とみ(東山千栄子)の老夫婦は住みなれた尾道から二十年振りに東京にやって来た。途中大阪では三男の敬三(大坂志郎)に会えたし、東京では長男幸一(山村聰)の一家も長女志げ(杉村春子)の夫婦も歓待してくれて、熱海へまでやって貰いながら、何か親身な温かさが欠けている事がやっぱり物足りなかった。それと云うのも、医学博士の肩書まである幸一も志げの美容院も、思っていた程楽でなく、それぞれの生活を守ることで精一杯にならざるを得なかったからである。周吉は同郷の老友との再会に僅かに慰められ、とみは戦死した次男昌二の未亡人紀子(原節子)の昔変らざる心遣いが何よりも嬉しかった。「ハハキトク」尾道に居る末娘京子(香川京子)からの電報が東京のみんなを驚かしたのは、老夫婦が帰郷してまもなくのことだった。脳溢血である。とみは幸一にみとられて静かにその一生を終った。駈けつけたみんなは悲嘆にくれたが、葬儀がすむとまたあわただしく帰らねばならなかった。若い京子には兄姉達の非人情がたまらなかった。紀子は京子に大人の生活の厳しさを言い聞かせながらも、自分自身何時まで今の独り身で生きていけるか不安を感じないではいられなかった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
原節子
笠智衆
東山千栄子
山村聡
三宅邦子
杉村春子
香川京子
大坂志郎
- スタッフ -
監督:小津安二郎
脚本:野田高梧
脚本:小津安二郎
撮影:厚田雄春
音楽:斎藤高順

配給:松竹
©1953松竹株式会社

ジャンル:現代劇