INTRODUCTION
上映時間・139分　大船作品
松竹大船撮影所長高村潔総指揮により、野田高梧と沢村勉のオリジナル・シナリオを中村登が監督している。製作は山本武。撮影は生方敏夫、音楽は黛敏郎である。出演者は淡島千景、佐田啓二、高橋貞二、岸惠子、田浦正巳、三橋達也、小林トシ子、柳永二郎など。政界の大立者と七人の子女を中心に、戦後家庭と社会関係を幅広く描き、興行的にも大きな貫録を示した。

STORY
与党幹事長児玉貞良（柳永二郎）には七人の子供があった。長女綾子（淡島千景）は原田仙介（須賀不二男）の妻として大阪に、保険会社に勤める長男健一（三橋達也）は児玉の旧友医者の板倉金太郎（笠智衆）の娘雪子（浅茅しのぶ）とそれぞれ幸福な結婚生活を営んでいた。そして露子夫人（夏川静江）の他界した後の児玉邸には、次女節子（小林トシ子）、三女桃子（野添ひとみ）、三男勇三（田浦正巳）、それに女中しげ（市川春代）と児玉との間に出来た四女の京子（大野佳世子）達が住んでいた。節子には健一の戦友で新聞記者の青木三平（佐田啓二）という恋人がいたが、秘書の黒井敏夫（永井達郎）を節子の夫にと考えていた児玉は、それに反対だった。次男省二（高橋貞二）はこんな父に反対して家出し、横浜の与太者仲間に入っていた。たまたま児玉は副総理より再婚をすすめられた。若い姉弟達はしげと入籍しない父を不潔なものとして、健一の処へ逃げた。しげと会ってこれを聞いた省二は父の行きつけの料亭の女将あき（月丘夢路）を訪れたが、忙しい児玉には会えなかった。折しも児玉の汚職が噂され、子供達に去られた児玉の顔には寂しさがにじんでいた。板倉家で板倉の還暦と節子と青木の婚約披露の会が催された数日後、脳溢血で児玉は急死した。省二も喫茶店の女みね（岸惠子）のすすめと寂しさから父なき児玉邸に帰り、父の日記帳を見た。

- キャスト -
佐田啓二
高橋貞二
淡島千景
岸惠子
浅茅しのぶ
月丘夢路
三橋達也
笠智衆
小林トシ子
淡路恵子
野添ひとみ
市川春代
柳永二郎
- スタッフ -
監督：中村登
脚本：野田高梧
脚本：沢村勉
撮影：生方敏夫
音楽：黛敏郎

配給：松竹
Ⓒ1954松竹株式会社

ジャンル：現代劇