黒い罌粟

公開日：1954年6月29日（火）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・103分　大船作品
毎日新聞に連載された菊田一夫の原作より、池田忠雄が脚色し、原研吉が監督している。撮影は森田俊保。出演者は角梨枝子、三橋達也、小林トシ子、川喜多雄二、野添ひとみなど。

STORY
父定彦が住む家を大阪に建ててもらう条件で榊田良平（須賀不二男）に嫁いだ奈保子（角梨枝子）は、結婚間もなく若い寡婦となった。東京の榊田家には良平の妹康枝（森川あさみ）とその息子の和政（田浦正巳）が同居していたが、どちらも奈保子にとって好意の持てる人物でなかった。良平の告別式の日。奈保子は良平から恩顧を受けたと自称して式に参列した西沢圭一郎（三橋達也）という不思議な人物から不意に求婚された。奈保子は女学生時代彼女の家庭教師をしていた香椎三平（川喜多雄二）と、結婚前ほのかな感情を抱き合い、接吻を許した事があった。三平は現在、奈保子の親友桜井京子（小林トシ子）も勤めているラジオ日本の劇作家になっていた。良平の郷里の紀州へ奈保子と康枝は一旦帰郷するが、帰途西沢は又しても奈保子の前に姿を現わし、接吻を奪った。西沢は大阪に喫茶店を営むかたわら、密輸に手を出している人物で、北京から一緒に引き揚げて来た酒場のマダムお浜（幾野道子）は、彼に慕情を寄せていた。良平の遺書公開の日、彼が生前囲っていた印南フジ（水原真知子）が現われて、遺産分配を要求した。奈保子はこういう問題に煩わされる事なく一人で働こうと決意し、京子の紹介で声優となった。三平は今も変らぬ心を打ちあけたが、彼を慕う北村理恵（由美あづさ）のため、彼女は二人を結びつけた。妹伴子（野添ひとみ）が家出したので、奈保子は捜索を西沢に依頼した…。