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【作品データベース】江戸の夕映えどのゆうばえ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・102分 京都作品
かつて菊五郎劇団が上演した戯曲を久板栄二郎が脚色し、中村登が最初の時代劇として監督する。撮影は生方敏夫、音楽は黛敏郎。九代目市川海老蔵が舞台と同じ役で映画デビューし、菊五郎劇団の三代目市川左團次、七代目尾上梅幸、二代目尾上松緑、坂東彦三郎はじめ同劇団が総出演する他、淡島千景、草笛光子、瑳峨三智子、夏川静江、近樹十四郎等が出演。

STORY
慶応四年、敗れた旗本たちは榎本武揚の海軍によって天下を徳川の手に帰そうと志した。本田小六(九代目市川海老蔵)もその一人だった。彼は許婚である松平掃部(三代目市川左團次)の娘お登勢(瑳峨三智子)にそれとなく去り状を渡して江戸を去った。お登勢の従兄で小六とも友人の堂前大吉(二代目尾上松緑)は、幕府軍の勇士だったが、今は柳橋で遊蕩三昧にふけり、芸者おりき(淡島千景)との仲を噂されていた。明治二年、幕府最後の抵抗も北海道に敗れた。五千石の旗本掃部も今では碁会所を開くわびしい暮らし。お登勢はおりきの世話で縫物をしながら家計を助けた。彼女の美貌に目をつけた総督府参謀吉田(近衛十四郎)は、妾に出せと強談判したが掃部に拒絶される。吉田は手を廻して掃部を長屋から追い出す。不法な所業の多い吉田は、参与醍醐(七代目尾上梅幸)に放逐されたが、掃部は故郷の駿府へ帰る決心をする。出発の日、網徳の娘お蝶(草笛光子)から小六らしい人を見たと聞き、掃部は大吉とおりきの夫婦に娘を預かってくれと頼む。おりきは今では踊りの師匠をしていた。二人はお登勢を預かって小六を探しあてた。小六はすっかり人間が変わって冷たく自棄になっていたが、お登勢が去り状を小六の前に差出し、声をひそめて泣き出すと、去り状を取り上げて静かに破りすてた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
九代目市川海老蔵
三代目市川左團次
淡島千景
草笛光子
瑳峨三智子
- スタッフ -
原作:大佛次郎
監督:中村登
脚色:久板栄二郎
撮影:生方敏夫
音楽:黛敏郎

配給:松竹
Ⓒ1954松竹株式会社

ジャンル:時代劇