地獄への復讐

公開日：1954年11月3日（水）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・91分　京都作品
宮本幹也の原作を鈴木兵吾が安田重夫と共同で脚色、酒井辰雄が監督する。撮影も関根重行で、音楽は木下忠司の担当。出演者は三橋達也、山内明、淡路恵子、浅茅しのぶ、鮎川十糸子の他、須賀不二男、龍崎一郎など。

STORY
昭和21年、東大生堀田誠（三橋達也）は、終戦直後の荒廃した社会において、血を売ってまで学校へ行くことが馬鹿らしく、親友小方洋一郎（山内明）が止めるのも聞かず退学した。ふとした縁から沖仲士の親方の竹田（須賀不二男）に拾われたが、正義漢の竹田は密輸業者と結託した同業の浅井鉄太郎（龍崎一郎）の脅迫をきかなかった為、その輩下の第三国人ダホ・エコに射殺された。いきり立つ竹田の妻千代（浅茅しのぶ）に代わって浅井に重傷を負わした堀田は懲役七年の刑を受け、出獄した時は何もかも一変していた。千代は子分のマンドリンの久太（堺駿二）に助けられて細々と運送店を営み、浅井は金と権力で都会議員にのし上っていた。その上、秘かに想い合っていたみどり（淡路恵子）は浅井の店でダンサーになり浅井と出来ているという。噂を信じた訳ではなかったが、狡猾な浅井の計略に乗せられた堀田はみどりの親切を振りきって千代の許で働くことになった。そして千代の堀田への信頼はやがて愛情へと発展して行った。その頃、浅井はその地位を利用して月島商店街にデパート建設を企んでいたが、ただでさえ不況に悩む商人達の悲痛な訴えを聞いた堀田は浅井に再考をうながすと共に、あらゆる努力をデパート建設反対に払った。社会問題としてこれを採り上げた新聞記者岸川（大坂志郎）は、浅井と堀田を公開討論により対決させる事にした。