INTRODUCTION
上映時間・104分　京都作品
コピーは「悪の泥沼から這い上がる男の苦悩!純愛に泣く二人の乙女!大都会の暗黒面を抉る 迫力と昂奮の活動巨篇!!」。富田常雄の小説「嵐の中の顔」を菊島隆三が構成し、永江勇が脚色に当たり、芦原正、竹野治夫が監督と撮影をそれぞれ担当する。主演者は大木実、野添ひとみ、大坂志郎、島崎雪子等。

STORY
Ｎ新聞の見習記者牧門三郎（大木実）は、やくざの前身がばれて首になったが、同時に婚約者南条由紀江（島崎雪子）の母から婚約の解消を申し渡された。傷心の牧は毎日職を求めて歩いたが得られなかった。かつての弟分河童の勇（青山宏）が無銭飲食をした事から、八丁荒らしの門三郎といわれた昔の啖呵を切ったが、必死にとりすがる女店員奈々子（野添ひとみ）の姿に心がくじけ草々に立去った。闇切符屋になった牧は、由紀江が新しい婚約者と歩いているのを見て、無理に由紀江を温泉マークに引きずりこんだものの、却って取りすがる彼女を残して出て行った。彼は奈々子が無銭飲食の件で首になった事を知り、勇が工面した金を持って彼女を訪れた。そして彼女の復職を頼みに行ったが、店主が相手にせず与太者を使って追出そうとしたので、怒った牧は乱闘の末、警察に留置された。数日後奈々子の愛情と川崎刑事（伊沢一郎）の温情をうけて釈放された牧は、かつての親分田代（有島一郎）の経営する体育ホールの事業を担当する事になり、奈々子もその事務員に雇われた。ある夜、牧は銀座のキャバレーで歌手に変わり果てた由紀江と再会した。母を亡くした悲運の彼女だが、牧の憎しみは消えなかった。捨て鉢になった由紀江は彼女を慕うぐれはまの喜三（大坂志郎）と遊び歩くうち、田代組の不正を知る喜三は田代の仔分に襲われ、誤って一人を殺すが由紀江の証言で正当防衛が認められた。田代は牧に喜三を殺せと命令する。

- キャスト -
大木実
野添ひとみ
島崎雪子
有島一郎
- スタッフ -
原作：富田常雄
監督：芦原正
脚色：永江勇
撮影：竹野治夫
音楽：鈴木静一

配給：松竹
Ⓒ1954松竹株式会社

ジャンル：現代劇