映画・アニメの世界

【作品データベース】遠い雲 とおいくも

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・99分 大船作品
飛騨高山を舞台に繰り広げられる、つつましやかで美しい大人の愛の物語。故郷で再会した幼馴染同士の、甦る愛の行方。静かで美しくも麗しい大人の恋。

STORY
林野庁に勤める石津圭三(田村高廣)は、北海道転勤のため、休暇をもらって東京から故郷の高山に帰って来た。彼は土地の酒屋豪商石津家の息子で、かつて同じ酒屋の娘寺田冬子(高峰秀子)と初恋の仲だったが、冬子は金のために市会議員の息子寺田敏彦と結婚、その上夫に死なれて一人娘絹子(植木マリ子)をかかえ、裕福な婚家で毎日を過ごしていた。駅からの帰途冬子の妹野島時子(小林トキ子)に会った圭三は昔の想い出に胸迫り、昔冬子から借りたジイドの「窄き門」を手に深い吐息をもらした。そして翌日敏彦の命日、墓前で圭三は図らずも冬子に再会した。だが冬子の義弟の俊介(佐田啓二)が現われたので言葉少なく別れた。東京へ帰る日が迫って来た一日、圭三は冬子とはじめてゆっくり会うことができた。丁度その留守、俊介は冬子と結婚の意志のあることを父に打あけ、仕事のために金沢へ発った。冬子と会った圭三も、子供をだく彼女の姿に、動いた心を淋しく諦めて家に来ると、北村(三木隆)という男が二人の間を暴露するといって強迫に来ていた。圭三は、身にやましい事は何もないといって追い返すが、母と兄幸二郎(高橋貞二)は圭三の気持を知り、冬子の父の彌吉(坂本武)のもとを訪れた。その時、冬子も北村によって圭三との間を義父母に暴露され、泣き伏していた。そこへ圭三の妹貴恵子(中川弘子)が、一緒に東京へ出てくれという圭三の手紙をもって来るが、彼女は冷たくそれを断った。翌日、圭三は再び東京へ向かうため、駅に来ていた。一度断ったものの、冬子は妹の時子に、「姉さんは自分の心に偽っている、行くのが本当よ」と激しくいわれ、意を決した彼女は圭三を追って切符を買ったが・・・。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
高峰秀子
佐田啓二
高橋貞二
田村高廣
石浜朗
小林トシ子
中川弘子
- スタッフ -
監督:木下惠介
脚本:木下惠介
脚本:松山善三
撮影:楠田浩之
音楽:木下忠司

配給:松竹
©1955松竹株式会社

ジャンル:現代劇