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【作品データベース】花ひらくはなひらく

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・100分 配給作品(まどかクループ・新世紀映画提携作品)
朝日新聞連載の伊藤整の小説を瓜生忠夫、魚住大二、『うちのおばあちゃん』の柳沢類寿の三人が共同脚色し『赤い自転車』の藤原杉雄が監督、撮影は仲沢半次郎が担当した。主なる出演者は、佐野周二、山田五十鈴、桂木洋子、野添ひとみ、若山セツ子、佐田啓二など。

STORY
木村玄(佐野周二)といえば有名な劇作家で、先生はいま秋の文京座公演のため“あほう鳥”を執筆中である。勿論先生のこの作品に対する熱の入れ方は大変なものだが、その割に筆の方が遅々として進まない。先生はその責任は京子夫人(山田五十鈴)のヒステリーにあるというので、家の中は口喧嘩が絶えない。ある日、演劇青年の谷村(内藤武敏)や水野(田浦正巳)が来訪する。先生はそれをしおに一寸一杯と町に出かけた。その夜いささか酩酊して帰宅すると、京子夫人の叱言が連発式に出るので、先生、カッとしてしまって暴力行為に出てしまう。そして翌朝先生は何処へともなく消えた。心配する京子夫人をよそに一人娘のハルミ(野添ひとみ)は案外涼しい顔をしている。先生の家出は一躍ジャーナリズムの脚光を浴びる。この時を狙うかのように京子夫人に想いをよせる独身の文京座演出部の大木(伊沢一郎)は舞台への復帰を促がす。ハルミも心配になって来たので学友の水野を誘い谷村のところへ相談に押しかける。さて先生は彼の崇拝者下田歯科医(佐田啓二)宅で当分居候をきめこみ、力作の執筆に余念がない。“芸術月刊”の宮森記者(加東大介)は先生の利用価値を認め、社の編集方針を変えても戯曲を載せるといい出した。文京座の若き研究生藤木ゆきは偶然下田歯科医の隣に住んでいることから先生に近づく。先生も満更悪い気持もしないばかりか若返りの必要に迫られ総入歯にホルモン剤で見まちがうようになる。帰宅するにも大木と京子夫人の問題が心配だし、誘われるままゆき(桂木洋子)と熱海で一泊する。やがて努力の結晶“あほう鳥”は華々しく文京座の舞台にのった。大盛況の初日、客席で先生は京子夫人に会うが美しさに驚いた。京子夫人の方も先生を見直してしまう。そして二人はこの新しい感動のめぐり合いをいつまでも大事にしようと約束するのだった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
佐野周二
山田五十鈴
桂木洋子
野添ひとみ
田浦正巳
佐田啓二
- スタッフ -
原作:伊藤整
監督:藤原杉雄
脚色:瓜生忠夫
脚色:柳沢類寿
脚色:魚住大二
撮影:仲沢半次郎
音楽:芥川也寸志

配給:松竹
Ⓒ1955松竹株式会社

ジャンル:現代劇