若き日の千葉周作

公開日：1955年10月4日（火）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・95分　京都作品
山岡荘八の原作を成沢昌茂が脚色し、酒井辰雄が監督、服部幹夫が撮影を担当した。主な出演者は中村賀津雄、高木悠子、高野真二、雪代敬子、花菱アチヤコなど。

STORY
千葉周作（中村賀津雄）は幼名を於菟といった。陸前鬼首に北辰夢想流の後継者たる父幸右衛門（荒木忍）と乳母の手で育てられ、早くも「千葉の小天狗」と異名をとった於菟は、あるとき、かつて千葉家の内弟子で今は鬼首に道場を構える荒尾宮内（香川良介）が、父幸右衛門に千葉の家を継がれた遺恨からあらぬ噂を吹聴し、そのため母は自害し、父もそれ以来剣を捨てて医者になったという話を耳にした。憤然と荒尾道場に暴れ込んだ於菟は、却って捕えられて鬼首峠でさらし者にされた。しかし、宮内は心の中では娘奈々江（高木悠子）を於菟に添わせ、千葉家を相続させたいと願っているのだった。奈々江に懸想する師範代森川新之介（高野真二）は、於菟を亡きものにしようと図るが、奈々江の働きで於菟は辛うじて助かった。幸右衛門は於菟の行動を知り、恩師岩上孤雲（十朱久雄）を訪ね、武士の道として於菟を斬り捨てたうえ、自刃する決意を打ち明け介錯を頼むが、小天狗於菟の将来を属望する孤雲のはからいで、於菟は周作、幸右衛門は浦山寿貞と名を改めて江戸に出た。そして、周作は父の旧友浅利又七郎（石黒達也）の道場に預けられた。一方、周作を慕う奈々江は江戸に向かい、邪恋に狂う新之介もそれを追った。周作はきびしい練磨のすえ、師範代を許されるまでの上達ぶりだった。又七郎は娘綾（雪代敬子）の婿となって流派を継ぐようにすすめるが、周作は奈々江を忘れることができない。そんなころ、奈々江をかどわかし、卑怯にも父寿貞の命を奪った新之介が、周作に果たし状をよこした。