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【作品データベース】青銅の基督せいどうのきりすと

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・125分 京都作品
長与善郎の小説を斎藤良輔が脚色し、渋谷実が監督、長岡博之が撮影を担当した。主な出演者は岡田英次、滝沢修、香川京子、山田五十鈴、野添ひとみ、石浜朗など。日本キリスト教殉教史に有名な、長崎の踏絵(青銅の基督像)を彫造した鋳物師を主人公とする雄大な力作として話題になった。

STORY
徳川幕府がキリシタンの根絶に躍起となっていた頃、長崎の奉行所で南蛮バテレンのキリシトファ・フェレラ(滝沢修)は拷問の苦しさに堪えかね、幕府の政策に協力することを誓った。若い南蛮鋳物師萩原裕佐(岡田英次)はキリシタンの娘モニカ(香川京子)を愛しているが、モニカの父多門(荒木忍)は裕佐がキリシタンでないので、結婚を許さなかった。フェレラの密告で多門が捕えられ、悲惨な最後を遂げた。ある日、フェレラは下役人岩吉(三井弘次)からキリシタン根絶に妙案はないかと聞かれ、踏み絵の代わりに鋳物のキリスト像を用いることを進言した。奉行所の手先となった絵師孫四郎(信欣三)が、商家の若旦那に頼まれたと偽わって、裕佐にこの仕事を引き受けさせた。裕佐はモニカへの愛のため、見事な青銅のキリスト像を仕上げたが、フェレラの提案で踏み絵代わりに使われると知って激怒し、モニカの弟吉三郎(石浜朗)にフェレラにこそ憎むべき裏切り者だと告げた。裏切り者を殺そうといきり立つ吉三郎を押し止めたモニカは、和蘭屋敷にフェレラを訪ね、彼の良心にうったえて翻心させようとするが、フェレラはきかなかった。フェレラが何者かに狙撃されたのはそれから間もなくのことである。クリスマスの夜、儀右衛門(伊達信)の家に集まった信者たちは、まだ傷の癒えぬフェレラの案内で乗り込んだ役人に捕えられた。処刑の日、信徒たちは、裕佐の精魂こめて作ったキリストの前にひざまづいて礼拝した。それを見た奉行は、最後まで信徒でないといい張る裕佐を、背後から突き刺した。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
岡田英次
滝沢修
香川京子
石浜朗
山田五十鈴
野添ひとみ
- スタッフ -
原作:長与善郎
監督:渋谷実
脚色:斎藤良輔
撮影:長岡博之
音楽:黛敏郎

配給:松竹
Ⓒ1955松竹株式会社

ジャンル:時代劇