裏町のお嬢さん

公開日：1956年1月22日（日）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・86分　大船作品
椎名利夫とラジオ作家の永来重明が共同で脚本を書き、田畠恒男が監督、布戸章が撮影を担当した。主な出演者は田浦正巳、中村メイコ、宮城野由美子、菅佐原英一、七浦弘子、日守新一、新人朝丘雪路、歌手奈良光枝など。

STORY
中央テレビの「社会ルポ」担当の川井哲也（菅佐原英一）は銀行ギャング（高屋朗）を追って取材したが、カメラマンの失敗で前に撮った「ティーン・エイジャーの生態」と二重写しになってしまった。クビを覚悟していた哲也に社長から特賞が渡された。そのニュースが杉本電機に売られたというのだ。杉本電気の社長の令嬢で、哲也と同僚の千秋（七浦弘子）が助けてくれたらしいが、この社会ルポのおかげで、貧しい花売り娘ミツコ（中村メイコ）の両親が大喧嘩をしたり、同じ長屋に住む工員正夫（田浦正巳）の艶歌師のアルバイトがバレたりして、ミツコと正夫はテレビに強い反感を抱いた。そのテレビが今度は「家出娘の生態」を撮るというので、家出娘に化けたミツコは哲也たちに近づき、巧みに騙して哲也の家へつれて行かれた。しかし、生来の明るい性格が人気をよび、皆から可愛がられるようになった。ミツコは正夫から、「社会探訪なんかデタラメだ。ザマ見ろって飛び出せよ」といわれて心が重い。哲也の父（日守新一）は杉本電機の課長で、社長から千秋を哲也の嫁にとの話を受けて上機嫌で帰宅したところ、妻（沢村貞子）から反対されたばかりか、息子にも取り合って貰えないので悄気返った。仕事に夢中の哲也は、今度は「サロンの生態」というルポを企画したが、そのヒントを得た雑誌の発行所に隣家の恵美子(宮城野恵美子）が勤めていたので、二人の仲は急速に進展した。ところが、このテレビ放送も未亡人和江（井川邦子）の子安夫の家出という事件を起こした。哲也の正義感はことごとく覆えされ、失意のあまり病床についてしまった。