続この世の花・第六部月の白樺、第七部別れの夜道

公開日：1956年2月19日（日）

作品情報

INTRODUCTION
フィルム巻数・第六部55分、第七部59分　大船作品
雑誌「明星」連載の北条誠の原作を富田義朗が脚色、穂積利昌が監督、西川亨が撮影を担当した。主な出演者は川喜多雄二、水原真知子、淡路恵子、雪代敬子、小林トシ子、山内明など。

STORY
芸者美智丸（雪代敬子）の世話でその夫島本社長（永井達郎）の化粧品会社に働くことになった有川（川喜多雄二）は、妻由美（水原真知子）との間にやがて生れて来る子供に希望の日々を托していた。わが子多加志の墓前に手を合せる有川夫妻を陰ながら見送った久美子（淡路恵子）は、哀しみを秘めたまま姿を消した。有川は現場の工場で働くことになり、社長令嬢京子（山鳩くるみ）は彼に好意を寄せるのだった。久美子は看護婦養成所を終え、大島の病院に勤めることになり、その前に美智丸を訪れた。美智丸は有川と久美子を会わせようと計らうが久美子は逃げるように有川の前から去り大島の病院に向かった。船中で彼女は大島の病院の池田医師（山内明）と知った。由美は医師の中絶のすすめを聞かず男の子を生んだ。社用で大島に渡る有川を港に送った彼女は、船が出てしまうと倒れた。過労だったのだ。大島に渡った有川は交通事故で視神経をやられ、久美子の勤める病院にかつぎこまれた。視力を失った有川に久美子の看護の手やさしくのびた。だが有川は久美子とも知らず数日後治療のために東京に戻った。衰弱した由美は信州の高原療養所に入った。訪れた盲目の有川にも彼女は病状をひた隠しにした。その療養所と大島の病院を往復する池田医師は久美子に結婚を申し込んだが、彼女の心に今なもお有川のあるのを知り大島を去った。池田は偶然由美の診療にあたり、その病勢の悪化に驚いた。