INTRODUCTION
上映時間・86分　京都作品
大佛次郎の原作を共同脚色者の一人、依田義賢が脚色し、萩山輝男が監督、服部幹夫が撮影を担当した。主な出演者は松竹喜劇の曾我廼家十吾、渋谷天外、曾我廼家明蝶、同五郎八、五九郎、酒井光子、宇治川美智子などの他、浅茅しのぶ、宮城千賀子、伴淳三郎、高野真二、朝丘雪路など。

STORY
大阪の酒問屋柏屋の金兵衛（渋谷天外）は丁稚からなった当主だが、律義者の下女おやす婆さん（曾我廼家十吾）の心やりも甲斐もなく秘かに囲った妾お染（宮城千賀子）の件を女房のおせき（浅茅しのぶ）に見破られてしまった。一人息子に心を残しつつも遂に家を追われ仕方なく、持ち出した金でお染やその兄（松本秀太郎）と共にお茶屋で大散財。女房は後でおやす婆さんの説得に金兵衛恋しく涙さえ浮べる折も折、彼の急死が報らされたのである。しかもお茶屋で餅を喉につめて。翌日野辺の旅路に立った金兵衛。焼場で正気に返り棺の中から飛び出した。早速妾宅へ戻って見れば既に間男を引き込んで居る有様に醜い此の世を嘆いて去って行く。いつか彼の一周忌となり柏屋ではお家乗取りを企んで養子取りを勧めるおせきの叔父宗右衛門（曾我廼家五郎八）の前に、偶然伜恋しさに立寄った金兵衛が咄嗟に幽霊に化けて出現し又消え去った。月日は流れ身代を為した金兵衛はお染の兄を呼び亡き金兵衛生き写しの姿に先ず驚かせ、一度お染に合い度いとの意を伝えさせる。折から使い込みで困って居たお染と間男の三五郎（曾我廼家五九郎）は本物の金兵衛とは露知らず懐中目あての大サービス。狸になり済ました金兵衛は同輩が掴まされて困って居た贋金をチラホラ。かくて高鼾、実は狸寝の金兵衛から贋金を抜き盗ったお染、三五郎は手に手を取って道行と洒落込んでしまった。

- キャスト -
曾我廼家十吾
渋谷天外
浅茅しのぶ
宮城千賀子
- スタッフ -
原作：大佛次郎
監督：萩山輝男
脚色：依田義賢
撮影：服部幹夫
音楽：田代与志

配給：松竹
Ⓒ1956松竹株式会社

ジャンル：時代劇