続二等兵物語・五里霧中の巻

公開日：1956年3月18日（日）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・95分　京都作品
梁取三義の小説を安田重夫が脚色し、福田晴一が監督、片岡清が撮影を担当した。主な出演者は、伴淳三郎、伊吹友木子、花菱アチヤコ、幾野道子、田端義夫、関千恵子、山路義人など。雪中訓練の場面を入れたり、前作以上に細かいギャグがあったりして、娯楽価値は全く失われていなかった。

STORY
第二次大戦中、職にあぶれた源吉（伴淳三郎）は強盗の片捧を担いたばかりに刑務所へぶち込まれ、そこから中部三十三部隊へ送られた。ある日、源吉の前に現れた新任の班長こそは、かつて彼を見張りに立てたまま情婦と行方をくらました強盗大垣（山路義人）だった。根は正義派の源吉は親友の柳二等兵（田端義夫）と図って大垣の旧悪をあばこうとするが、海千山千の大垣は目の上のコブともいうべき源吉を何かにつけて痛めつけるのだった。やがて、源吉は深沢冴子（伊吹友木子）という代用教員と仲良くなり、有頂点になった。庄野上等兵（山田周平）の指揮で買い出しに出かけた日、源吉はこっそり脱け出し、冴子の家で久しぶりに温かい家庭の雰囲気に浸ったが、冴子の姉千代（幾野道子）に会ってびっくりした。大垣とグルになって源吉を騙した女だったからである。大垣に捨てられた千代は二人の間に出来た子供を冴子に預けて芸者に出ていたのだが、源吉を見ると泣いて詑びるのであった。それを知った大垣は自分の過去をあばかれては面倒とばかり、猛吹雪のある日、源吉を斥候に出し、半死半生の源吉はスキーで駈けつけた冴子のおかげで任務を果すことが出来た。翌朝、部隊に出動命令が下るが、卑怯な大垣は軍医に偽りの診断書を書かせて外地へ行くのを逃れようとしたので、源吉は猛然と大垣に飛びかかり、散々に叩きのめした。数日後、輸送船の甲板に立って、源吉と柳は遠ざかって行く故国の山河を淋しそうに眺めていた…。