お母さんの黒板

公開日：1956年4月11日（水）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・60分　大船作品
小田和夫と土井行夫の放送劇を津路嘉郎が脚色、佐々木啓祐が監督、鶴見正二が撮影を担当した。主な出演者は望月優子、古賀さと子、設楽幸嗣、幾野道子、坂本武など。

STORY
数年前夫に先立たれた望月直子（望月優子）は今年中学を出る長女の幸子（古賀さと子）をはじめ、隆一（小畑やすし）、拓次（桜井真）、三郎（設楽幸嗣）、鈴子（熱海サチ子）の五人の子供をかかえ、町工場の福祉課に勤めながらささやかな暮らしを続けていた。それぞれ帰りの違う一家の連絡の役目を果たすのは台所にかけられた小さな黒板であった。助役の上田（稲川善一）は何かにつけて直子につらく当った。そんな時きまって助け舟を出してくれるのは町長（北竜二）だった。ある日、直子に再婚話が持ち上った。幸子は最初反対だったが、母の生活の苦しさをきき、弟妹達そろって相手の年寄りの和尚さん（明石潮）のところに見合いに行った。帰って来てから、実は見合いだったときかされた四人の子供達は揃って反対をした。子供達が亡くなった父の面影をまだ忘れないからだと知った直子は一生独身で通す決心をした。直子はそのうち肺炎になったが子供達の看病で回復した。やがて春のお彼岸が来た。父親のお墓参りに子供達は病み上りの母親をリヤカーに乗せて出発した。墓地前のにぬかづきながら、直子は母の幸福を胸いっぱいに感じるのであった。