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【作品データベース】伴淳・森繁の糞尿譚 ばんじゅん・もりしげのふんにょうだん

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・101分
第6回芥川賞を受賞した火野葦平原作を伴淳三郎と森繁久彌の名コンビの主演で映画化。監督・脚本はのちに「砂の器」を生み出す野村芳太郎と橋本忍の名コンビ。社会の醜い欲望の渦中に巻き込まれていく馬鹿正直な男の喜怒哀楽が描かれる。社会風刺を込めた痛快喜劇で、題名通り全編糞尿をめぐる騒動が展開する。

STORY
昭和11年、北九州のある中都市に小森彦太郎(伴淳三郎)というお人好しで馬鹿正直な男がいた。彼は先祖代々の田畑を売り、妻子と別居してまでも糞尿汲取業に身を打ち込んでいる。ボロトラック一台あるきりの「衛生舎」がそれで、毎月僅かな汲取料を貰うのに四苦八苦していた。市の有力者の赤瀬(柳永二郎)の口添えで、彼の事業は市の指定になっているが市からの補助は雀の涙ほどもない。そこで彼は同業者の結束を図り、組合を作って汲取料の値上げをしようと呼びかけるが、赤瀬と対立している同じ有力者友田(小沢栄太郎)の手で邪魔されてしまった。彦太郎が赤瀬に相談すると、赤瀬は自分の娘婿で経理にくわしい阿部丑之助(森繁久彌)を紹介した。阿部はこれまでなかった帳簿を作り、汲取嘆願書を市役所に提出した。この嘆願書は忽ち大反響を捲起し、市会でもこれを取上げるに及んでついに汲取料の増額が決定した。今では見違えるばかり美しくなったトラックに乗りニコニコ顔の彦太郎のところへ、ある日阿部から「衛生舎」が愈よ市に買収されることになったから権利金請求書に必要な実印を持って来るようにとの使いが来た。阿部を信じている彦太郎は急いで駈けつけ、いわれるままにべタべタ印を押したものの、権利金の分配は赤瀬が五割、阿部が二割五分、彦太郎が二割五分と聞かされて愕然とした。余りのことに茫然とした彦太郎は抗弁する気力も失い梢然と帰った…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
伴淳三郎
森繁久彌
山茶花究
瑳峨三智子
三井弘次
- スタッフ -
原作:火野葦平
監督:野村芳太郎
脚色:橋本忍
撮影:井上晴二
音楽:芥川也寸志

配給:松竹
©1957松竹株式会社

ジャンル:現代劇