INTRODUCTION
上映時間・103分　大船作品
第35回芥川賞を受けた近藤啓太郎原作「海人舟」の映画化。共同脚色者の一人、高橋治が脚色、同じく堀内真直が監督した。撮影も同様、小原治夫。主演は大木実、泉京子、石浜朗、山鳩くるみ、瞳麗子。グラマー女優として売り出した泉京子と大木実も、海辺における大胆な愛欲場面が評判になった。

STORY
海人たちの潜りが始まる孝節－崖村の新浜部落に作治（大木実）は五年ぶりで帰って来た。五年前、死ぬほど惚れた川添部落の海女ナギ（泉京子）を仲間の民三（永井達郎）の抜駈けに奪われて以来、村から姿を消していたのだった。その民三も、海で死んでしまっていた。作治は帰って来た晩ナギの家を訪れた。ナギは彼の腕に身を投げて、「もう離れない」と身もだえるのだった。ナギに惚れているのは彼だけではなかった。疎開者の息子で、海人になって日も浅い勇（石浜朗）もその一人で、村一番の海人になったら結婚してもいいという彼女の言葉を真に受けて仕事に骨身を削っていた。その勇をみて、彼を慕う年若いトシ（山鳩くるみ）は独り胸を痛めた。一方、作治は仲間の五郎（諸角啓二郎）から、彼が村を去ってからのナギの行状を聞かされた。彼女はトシの姉かおる（桂木洋子）と恋仲だった漁業組合の鈴木（南郷佑児）にちょっかいを出し、傷心のかおるは嵐の晩に流産して以来気が変になったのだ。しかし作治は、そんな女でも、オレはナギが好きだ、と言った。

- キャスト -
大木実
泉京子
石浜朗
山鳩くるみ
瞳麗子
坂本武
- スタッフ -
原作：近藤啓太郎
監督：堀内真直
脚色：高橋治
撮影：小原治夫
音楽：木下忠司

配給：松竹
Ⓒ1957松竹株式会社

ジャンル：現代劇