処女

公開日：1957年7月23日（火）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・104分　大船作品
柴田錬三郎の原作『夢に罪あり』から田畠恒男が脚色・監督し、布戸章が撮影を担当した。主演は田代百合子、菅佐原英一、島崎雪子、浅茅しのぶ、上原謙、中村賀津雄。ほかに、中川弘子、沢村貞子など。

STORY
長女の三津枝（浅茅しのぶ）は亡父の跡を継いで女医、次女の千鶴（田代百合子）は書店に勤めるサラリーガール、三女の由香（中川弘子）は洋裁学校の生徒という女ばかりの江上家に、川伏待太郎（菅佐原英一）という風変わりな男が居候になった。彼は江上家の亡父の知己で、印度に真珠の研究に行っていたのだ。その彼は、ある日会社を辞めた退職金で江上医院にテレビを贈ると、下宿を探して飄然と引越して行った。その頃、千鶴は勤先の社長佐伯（十朱久雄）に、彼の友人の仏文学者間木（上原謙）との縁談をすすめられた。ある日、間木と千鶴は音楽会へ行くことになったが、遅れて来た間木は意外にも姉の三津枝と一緒に会場に入って行った。実は、間木は三津枝を見染めたのだが、佐伯の思い違いで千鶴と話が進められてしまったのだ。そのわけを知らない千鶴にはショックだった。会場からしょんぼり立去る彼女を、たまたま通りかかった松阿久一（永井達郎）が呼止めた。彼女は捨鉢気味に彼と同行し、その夜はひどく酔った。かねてから千鶴に横恋慕していた久一は、この機会を逃さなかった。翌朝、温泉マークの一室で目覚めた千鶴は激しい後悔にさいなまれた。そして川伏（菅佐原英一）の下宿を訪れ、家には帰れぬからここに置いてくれと泣き伏した。そんな彼女に、彼は以前から千鶴を愛しており、ここに下宿したのも彼女に会うのが苦しくなったためだ、と打ち明けた。一方、三女の由香には境六郎（中村賀津雄）という公然の恋人がいた。