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【作品データベース】気違い部落 きちがいぶらく

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・134分
きだみのるの「気違い部落周遊記」「気違い部落紳士録」「霧の部落」「奥様騒動記」「日本文化の根底に潜むもの」など、一連の“気違い部落”ものを原作に、菊島隆三が書いたシナリオを、渋谷実が監督した社会喜劇。日本の農村社会の前近代的な構造を取り上げ、前半では戯画化し後半でやや深刻に描いている。出演は淡島千景、伊藤雄之助、石浜朗、新人水野久美、伴淳三郎。解説者として森繁久弥が登場する。

STORY
東京からわずか十三里半の所に“気違い部落”がある。といっても気違いが住んでいるわけではない。貧乏な中で色と欲をむき出しにした農民生活が“気違い沙汰”にみえるので人々はこう呼んでいる。機屋の因業親爺良介(山形勲)、高利貸又一(須賀不二男)、この二人の親方を中心に十四世帯の部落は統一されている。親方の権力は絶対で、部落の掟は国の法律より優先することさえあった。ある日、頑固者の鉄次(伊藤雄之助)は、昔祖父が部落に寄付した神社の境内がまだ登記されていないのを知って、自分の土地だと縄張りをして耕しはじめた。親分連は鉄次の暴挙に腹を立てたが、彼は平気だった。良介一家は鉄次とのつきあいを断った。何でも屋の三造(信欣三)夫婦も、酒好きの仁太(藤原釜足)、自転車屋の助夫(三井弘次)、鉄次の伯父甚助(小川虎之助)までもこれに加わった。結局鉄次の家は村八分にされてしまった。これに一番困ったのは鉄次の娘お光(水野久美)だった。彼女は自家の敵良介の息子で東京へ出稼ぎに行っている次郎(石浜朗)と恋仲であった。駐在さんの骨折りも一切無駄だった。お光は肺病になり、部落に帰って来た次郎に頼まれた駐在はストマイを安く買ってやった。お光は一時はよくなったが、冬を迎えてポックリ死んでしまった。鉄次が薬代のもとを取ろうとして、残りをヤミ売りしてしまったからだ。誰ひとり弔う者もない寂しい葬式の翌日、家出して東京に発つ次郎はいい働き口があると鉄次を誘った。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
伊藤雄之助
淡島千景
水野久美
石浜朗
伴淳三郎
- スタッフ -
原作:きだみのる
監督:渋谷実
脚色:菊島隆三
撮影:長岡博之
音楽:黛敏郎

配給:松竹
©1957松竹株式会社

ジャンル:現代劇